ラグビー日本代表も実践「簡単1分ストレッチ」 動いていない筋肉をしっかり「しつける」
背骨に沿って縦に張り付いている筋肉「多裂筋」は、正しい姿勢をつくるのに欠かせない筋肉です。背すじがピンとした姿勢をつくるには、背骨を正しいポジションで維持することが大切なのですが、そのためにはたらくのが、多裂筋です。この筋肉が動かなくなると、背中をうまく反らせなくなります。体がガチガチに硬くなってしまい、柔軟性を失ってしまうのです。
「伸筋群」は、足の甲からすねにつながる筋肉です。立つ、歩くといった基本動作において、重要な筋肉なのですが、やはり姿勢の悪い人のほとんどが動いていません。この筋肉には足の指を反らす役割があるのですが、使い方が悪く、ほとんどうまく動いていません。
理由は、裸足で生活することが少なくなったこと、そして足指全体を覆ってしまうデザインの靴が主流になったことで、足の指をあまり使わなくなったことにあります。意識して使うようにしないと、なかなか動かない筋肉なのです。
動かなくなった筋肉を動くようにする
動かなくなっている筋肉は、縮めなくなったか、緩まなくなったか、のどちらかです。まずは、伸ばしてあげて刺激を与えることが必要となります。大切なのは、動かなくなった筋肉を動くようにすることです。
筋肉が動きを取り戻すと、体の柔軟性もよみがえります。というのも、体が硬くなっている原因は、使っていない筋肉が動かなくなって固まっているからです。固まった筋肉を伸ばすと、それが刺激になって、筋肉が動きを思い出していきます。動かなくなって固まった筋肉が動くようになると、体がスムーズに動くようになり、体が柔軟性を取り戻していくのです。
体が柔らかくなれば、関節を含め、全身の動きがスムーズになります。すると、肩こり、腰痛、ひざ痛などはたいてい解消されます。また、筋肉と骨が正しい位置に落ち着いていくので、姿勢が整っていき、猫背もすっきりと改善されていきます。
すると、全身の血流が整うので、冷えも解消されます。内臓も正しい位置に落ち着いていくので、胃もたれや便秘なども改善されていきます。さらに、自律神経の乱れが整ったり、疲れにくくなったり、睡眠の質が上がるなど、さまざまな側面においても、よい効果を与えてくれるのです。
つまり、体のさまざまな悩みを解消するには、動いていない筋肉をしつければよいといえるでしょう。
ただ、通常のストレッチでは、「多裂筋」と「足指の伸筋群」、この2つの筋肉を伸ばすことはなかなかできません。ですから、私は、この2つの筋肉をピンポイントで動かすことができるストレッチを考案しました。たった1分間で、的確に「多裂筋」と「伸筋群」を刺激し、動きと柔軟さがよみがえります。拙著『1分間だけ伸ばせばいい』では、動かなくなった筋肉を的確に刺激し、体の柔軟さをよみがえらせるオリジナルストレッチを公開しています。
いずれのストレッチも、筋力トレーニングのようなハードなものではなく、筋肉を1分間伸ばすだけ。動かなくなっている筋肉に、動き方を思い出させ、動ける状態にする、まさに「しつけ」のためのストレッチです。
今回紹介する2つのストレッチ「壁ペタ伸ばし」と「足指グーッと伸ばし」は、家や職場など、好きなタイミングでできるものです。1分間伸ばすだけで、普段使っていない筋肉「多裂筋」や「足指の伸筋群」をはじめとする全身の筋肉が目覚め、柔軟性を取り戻し、体の不調がみるみる改善していきます。
いずれもやり方は簡単ですし、しかも1分でできるので、気分転換や休憩時間にもおすすめです。ぜひ試してみてください。痛みなどがある場合は無理をしないでください。
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