ロシア原発ビジネスは本当に「儲かる」のか

海外原発はほぼ赤字、発注国とのトラブルも

しかし、受注条件を見ると原発輸出がビジネスとして成立しているとは言いがたい。ロスアトムの原発輸出にはほとんどの場合、ロシア政府が融資している。

2017年にはバングラデシュでの原発建設のために約114億ドルの政府融資が実行された。ハンガリーで建設準備を進めているパクシュ原発2号基でも、総工費125億ユーロのうち100億ユーロをロシア政府が融資する。ベラルーシに対しても原発建設のために100億ドルを政府が融資した。

ロシアのメドベージェフ首相は2018年4月のロスアトムの経営トップとの会談で、「政府としてロスアトムの海外市場でのポジションを強めるために最大限の協力をする」と約束している。

政府融資頼みの原発輸出に批判も

このような政府融資頼みの原発輸出には、ロシアの専門家からも批判が出ている。「融資条件はロシアにとって不利で、債務不履行リスクも極めて高いものばかりだ」と、2018年6月19日付のMoscow Post紙の取材にニグマトゥリン元原子力分野担当副大臣は語っている。

同紙の試算によれば、トルコ、エジプト、バングラデシュ、フィンランドへの原発輸出で、ロシア政府は総額1000億ドル以上を融資してきた。これは2019年時点の海外受注総額1330億ドルの約75%に相当する。これらの融資の金利はおおむね年3%で設定されており、投資回収が長期に及ぶプロジェクトとしてはかなり低い(2019年9月6日決定のロシア中央銀行の政策金利は7%)。

融資期間が極めて長い契約もある。例えば、ベラルーシのプロジェクトに対する融資期間は50年(返済期限は2068年)に設定されている。つまり、国民の血税を含む財源を政府融資という形で原発輸出につぎ込んでいるのだ。

フィンランドのハンヒキビ原発建設には、ロシアの「国家福利厚生基金」からの資金も使われている。これはロシア国民の年金の原資として運用されている基金だ。国民から見れば将来の年金が国外の原発に投じられているに等しい。

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