自転車操業がベンチャーにとって悪くない理由 「激戦」に生き残る関西の有力3社に学ぶ
真山:行事やイベントのある日には、価格を変える?
金谷:はい。例えば野球場の周辺だったら普段はすごく安いですが、試合のある日は対戦カードによってまったく価格が異なってきます。人気選手の引退試合となると結構高くなります。
真山:ということは、そのような情報を詳細に知っておく必要がありますね。例えばコンサートホールの近くの駐車場であれば、どんなアーティストが出演するかによって料金が露骨に違うのですね?
金谷:そうです。
真山:今後、新たにライバルが参入してきたとき、相手がもっとハイテクで、AIを駆使して値段を設定し、さらに安くしてくるかもしれません。
金谷:私たちはIT企業の中で営業がトップクラスだと思っていますし、営業会社の中ではITがトップクラスだと思います。この掛け合わせにより、テクノロジーを主体とするベンチャー企業には負けないと思っています。
カーシェアやレンタカー需要にも対応
真山:駐車場以外の展開もお考えですか?
金谷:時間貸し駐車場の需要がいつまでも伸びていくとは思っていません。カーシェアリングやレンタカーを利用する人も増えてきています。ただ、2040年には電気自動車(EV)の比率が50%を超えるといわれています。駐車場をEVの充電スポットにすれば、どんどん市場を拡大できると思っています。

真山:ベンチャー企業というと、自転車操業と呼ばれるように、ずっとこぎ続ける必要があるから大変というイメージがありますが、逆にここにヒントがあります。「こぎ続けないといけない」から、失敗を恐れず前に行くしかありません。立ち止まった瞬間に市場はなくなり、チャンスもなくなります。
「とにかくやってみよう!」という「トライアンドエラー」の「トライ」の数より、エラーが少なければ成功します。たくさんトライし続けることで、成功するものを見つけているという、自転車のようにこぎ続けたおかげで、よい結果を得られているところが、3社に共通している点だと思います。
(構成:二宮 未央/ライター、コラムニスト)
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