自転車操業がベンチャーにとって悪くない理由 ｢激戦｣に生き残る関西の有力3社に学ぶ
真山：ユニークな視点ですが、最初に目をつけたきっかけは何でしたか？
金谷 元気（以下、金谷）：200個の困りごとを社員全員で出しまして、その困りごとの1つが、「駐車場は現地に行ったら駐車場が満杯で停められず困る」というものがありました。時間貸し駐車場は数百万円もの精算機を導入しなければならないので、簡単には増やせない。予約もできない。ならば精算機をスマートフォンに置き換えてしまおうという発想で始まりました。
真山：駐車場のオーナーに、「使用していない時間に駐車場を提供してください」と持ちかけたときに、あまりいい顔をされないこともあるのでは？
金谷：無償でオーナーさんに貸していただいて、予約が入ったら50％の手数料をいただくビジネスモデルになっています。オーナーさんは登録する際にいっさいお金がかからないため、駐車場の空き時間に予約が入ってお金が入るなら、そちらのほうがいいと考えられるオーナーさんは多いです。
渡邊：大手企業がこのビジネスに目をつけて参入してきたことがあったと聞きました。どのような手を打ちましたか？
金谷：社員20人で、大阪環状線の内側をくまなく歩き、空いているスペースを徹底的に調べました。見つけたら飛び込みをするという地道な営業で契約を取り続けた結果、大手企業が去年撤退しました。
渡邊：見事に押し出しを決めましたね。
小回りがきかないのが大手の欠点
真山：小回りがきかないところが大手の最大の欠点ですからね。
金谷：ベンチャーはとにかく量をこなしながら、実際に実行し、ダメなところはダメでやめて、いいモノはとにかく追求して進める。これをやっていけるのが大手との違いだと思いますね。
真山：大企業に勝てる自信はありましたか？
金谷：大企業でエース級だった私よりも優秀な人材を雇っていってましたので、戦力で負けることはないと思っていました。
真山：駐車場料金はどのように設定しているんですか？
金谷：エリアや人の出入りなどによって需給を調査して、データを基に設定をしています。
ホテルの駐車場のほか、レンタカーが借りられた後に空く駐車場もあります。レンタカーの営業所は市街地の立地のよい場所にあるので、レンタカーが出庫したあとの昼間の時間だけ借りることができます。ゴールデンウィークや年末年始であれば、レンタカーがほぼ出払うので、そうしたときにシェアしていただいたら需要があるので、マッチングがたくさん起こりますね。
