銀座のママが語る「夜の銀座」にある暗黙ルール 高級クラブやスナック共通の「粋な飲み方」

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カードで支払う場合は手数料がかかってくるので、480円よりも高い金額にはなります。しかし、480円であっても、値切るという行為は、そのお店のサービスに対してケチをつけているのと同じ意味を持ちます。

お店のサービスに満足いただけないならば、満足できるお店に行かれるほうがお客様にとって幸せなはず。夜の銀座で働くことや働いているお店に誇りを持っていればそのように思います。きっと、夜の銀座で「値切る」という行為がどのように捉えられるかをご存じではないから口にしてしまったのだと思います。

同伴のルール

『同伴』という言葉をご存じですか? 一般的に「同伴」とは一緒に連れて(連れ立って)いくこと。夫人を同伴するというように使われます。ですが、夜の世界の「同伴」とは「同伴出勤」のことで「ホステスがお客様と一緒にお店に入ること」を意味します。銀座で働くママやホステスさんはお店に入店する時に「ノルマ」や「ペナルティー」を言い渡されることがほとんどです。

「ノルマ」とはお店が設定している目標のことで月の同伴の回数や指名数、周年や誕生日などパーティー期間中の集客組数、月の最低売り上げなど、話し合いで設定されていて、人によって回数や金額が違ってきます。達成されないとペナルティーを受けることになります。

「ペナルティー」とは罰金のことで、遅刻や当日欠勤、無断欠勤、ノルマ未達成など、お店の規則やお店との約束を守れなかったときに報酬から引かれるお金のことです。そのホステスさんを雇うにあたってお店側として最低限達成してほしいことをノルマとして伝え、そのホステスさんがノルマを達成できる前提で報酬を決めています。ですので、達成できなければペナルティーとして報酬から罰金として引かれてしまうのです。

同伴のとき、お客様の人数とご一緒させていただくホステスの人数に暗黙のルールがあります。具体的には、お客様が1名様の時にはホステスは1人。お客様が2名様の時にはホステスは2人まで。お客様が3名様の時にはホステスは3人まで。もし、お客様の人数がそれ以上になったときには、その日、お店に出勤するホステスの人数が足りているかや、そのお店のホステスの在籍数によって同伴できる人数が決まってくると思います。

また、そのお客様が普段からそのお店にどれくらいの利益をもたらしているか、その日にどれくらい売り上げてくださりそうかということも、お店側の判断基準になっています。ですので、お客様が1人で食事に連れていきたいホステスさんが2人いるとき、暗黙のルールをご存じのお客様はご友人やほかの方を誘って2対2の状況をつくってくださいます。

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