外資初、「HP」がPCシェア首位を奪取した理由 「Windows 7」サポート終了特需だけじゃない

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HPはここ数年、セキュリティ関連の機能を強化している。その1つが、「Sure Start (シュアスタート)」という、PCに搭載されているソフトウェア「BIOS(バイオス)」の安全性を担保する仕組みだ。

BIOSはPCの電源を入れた際に最初に起動されるプログラムで、OSの起動や、PCと接続機器間の入出力を制御する。ここに何らかの侵入があってもOSレベルでは気づかない。Sure Startは専用チップで電源を入れるたびにBIOSをチェックする。

ウイルスソフトだけでは不十分?

また今年からは、ディープラーニングのAI技術を活用し、未知のウイルスでも検知して防御する機能を実装。「既存のウイルスソフトは、最新のウイルスの半分ほどにしか対応できない。AIであれば99%検知できる」(日本HPの九嶋俊一専務執行役員)。

「エリート ドラゴンフライ」はディスプレイが360度回転するため、タブレットのように使うことも可能(撮影:今 祥雄)

そのほか、自分以外の人からPC画面の中身を見えなくするソフトウェアによるプライバシースクリーン機能や、ウイルスなどが組み込まれたウェブサイトの閲覧がハードウェア的にOSと隔離された仮想環境で行われ、ブラウザのタブを閉じるとウイルスが除去される機能などで差別化を狙う。

セキュリティが求められる理由は、単にリモートワークだけではない。今、企業のサプライチェーンにおいて必要なセキュリティの水準が急速に高まっている。

背後にはアメリカと中国のハイテク摩擦の激化がある。アメリカ政府は今年5月、中国通信大手ファーウェイの通信機器が情報漏洩につながる懸念があるとして、同社を事実上の禁輸リストに加えた。「ファーウェイに対する懸念が事実かどうかは別としても、アメリカが中国の技術を脅威に感じているのは確かだ」(九嶋氏)。

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