あなたが死んだら「〇〇ペイ」はどうなるのか 所有者が亡くなれば残高は消失する?

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ただし、杓子定規に対応しているわけではないようです。LINE Payに問い合わせると、次のような回答が返ってきました。

「亡くなった方のLINEアカウント内のLINE Pay残高の返金のご要望については、お問い合わせがあった場合、故人がアカウントを保持していたことの確認や故人と申請者との関係等の確認等を、死亡や戸籍を証明する書類等、必要書類を確認させていただいたうえで対応いたします」

サポート体制も少しずつ整っていくはず

具体的には、残高を所定の銀行口座に振り込む方法で処理するそうです。利用規約ページにはとくに記載はありませんが、サービスの普及に伴って遺族から問い合わせが届くようになり、「ユーザー保護の観点から対応を始めました」とのこと。

件数は非公開ですが、最初に事情を尋ねた2018年4月から再度問い合わせた2019年9月まで、だいたい同じペースで問い合わせが届いているようです。

『スマホの中身も「遺品」です デジタル相続入門』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

PayPayも利用規約ページでは、利用者の権利について第三者への「譲渡、貸与または相続」の禁止を明記していますが、適正な身元確認等の手続きを経れば、遺族への払い戻しに応じているそうです。なお該当する問い合わせは2か月に1回ほどとのことで、今のところ、そこまでの頻度ではないと言います。

ほかにも「法的性質上、原則払い戻しは不可。相続については個別に対応いたします」(ファミペイ)など、こと相続に関しては柔軟に対応する余地を残しているサービスが多いようですので、「利用規約上引き継げない」と諦めずに、サポート窓口に相談してみる価値はあるといえそうです。

一方で、法定相続人以外からの相談には応じにくい状況のため、立場によっては対応に壁を感じることも出てきそうです。基本的には新しく生まれたサービスですし、このあたりのサポート体制も、今後少しずつ整っていくのではないでしょうか。

古田 雄介 フリーランスライター

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ふるた ゆうすけ / Yusuke Furuta

1977年生まれ。名古屋工業大学卒業後、建設会社と葬儀会社を経て2002年から雑誌記者に転職。2010年からデジタル遺品や故人のサイトの追跡している。著書に『第2版 デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(伊勢田篤史との共著/日本加除出版)、『ネットで故人の声を聴け』(光文社新書)、『故人サイト』(社会評論社)など。
X:https://x.com/yskfuruta
 

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