あなたが死んだら「〇〇ペイ」はどうなるのか 所有者が亡くなれば残高は消失する?
前者は原則としてサービス内にお金が残らないので、契約者の死去により権利が消失したとしても大きな損失にはつながりにくいのですが、後者は残高が生じてしまいます。
1つのアカウントが保有できる残高の上限は、図表のとおりです。用途によって規模が変わるようで、送金サービス中心なら1億円というものまであります。
コンビニから家電量販店、納税など汎用的な支払いに使える「LINE Pay」や「PayPay」「メルペイ」などは100万円規模まで想定しているようです。使いこなしている人なら、数万円どころか数十万円がつねにプールされている状態でも何ら不思議ではありません。中身を確かめないまま、相続対象から除外して放置するには、ちょっともったいない額ではないでしょうか。
ところが執筆している2019年12月現在、利用規約上は、契約者本人が亡くなった時点で残高を保有する権利がアカウントもろとも消滅してしまう支払いサービスが多くなっています。これは注意したいところです。
そもそもLINEは「一身専属性」契約である
インターネット上にあげた持ち物の場合、一つひとつのサービスを個別に契約しています。すべての契約を遺族が引き継げるなら話が早いのですが、相続できないものもあります。
これは「一身専属性」の契約というもので、提供側はあくまで契約した人物に対してのみサービスを提供し、契約者が亡くなったときには契約が終了するというものです。
例えばLINEのホームページに記載された利用規約をみると、「本サービスのアカウントは、お客様に一身専属的に帰属します。お客様の本サービスにおけるすべての利用権は、第三者に譲渡、貸与または相続させることはできません」とあり、LINE Payを含むLINE関連のすべてのサービスが一身専属性となっています。
つまり、チャットの文面はもちろん、スタンプや諸々の購入済みコンテンツも契約者本人が利用することを想定していて、相続人に権利を渡すことは考えられていません。だからこそ安心してチャットで盛り上がったり、人の目を気にせずに自分の趣味の世界を構築したりできるわけです。それと同様に、LINE Payの残高を使う権利も契約者が亡くなれば消失してしまう、ということになります。
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