改革迫られる、中国国家発展改革委 独禁当局として生き残りを模索
[北京 3日 ロイター] -関係筋によると、今週開幕する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、国家発展改革委員会(NDRC)の改革案が提示される見通し。改革の結果、NDRCは全体の権限こそ低下するかもしれないが、反トラスト当局としての役割は最終的には拡大する可能性がある。
NDRCは、数千人もの職員を抱えており、投資や価格などの幅広い問題について決定権を有する巨大機関。改革を迫られるなか、権限維持に腐心するNDRCが狙うのは反トラスト当局としての生き残りだ。
NDRCはここ数カ月、中国の国内企業に加えて、米ハイテク企業のクアルコム
習近平国家主席は、市場重視の経済モデル導入や、国家主導型の経済成長から消費重視の投資へのシフトを表明している。こうしたなか、学術経験者や政府筋は、NDRCは合理化を迫られると予想している。
指導部に近い2人の関係者によると、NDRCのリストラ案はすでに準備が整っており、5日に開幕する全人代の場で協議される見通し。
ただ現時点では、何らかの決定が下されるのかどうかは、不明だ。
独禁法当局としての役割に専念か
中国の独占禁止法によると、NDRCと商務省、国家工商行政管理局(SAIC)の3機関が反トラスト当局と定められているため、NDRCのリストラ案がどのような内容であれ、反トラスト当局としてのNDRCの役割が近く縮小されたり、修正されたりする可能性は小さい。
在北京のある外交官は「NDRCは新たな役割を担う準備ができている。独禁法関連の行動が増えていることからも明らかだ」と述べた。
NDRCの価格監督・反トラスト部門のトップは先月「独立し、強い権限を持った統一的な反トラスト機関というのが、トレンドになっている。世界の多くの国では、独禁法の権限が1つの屋根の下に入っている」と述べ、反トラスト権限の統一を示唆。NDRCが反トラスト3機関のなかで、主導権獲得を目指していることがうかがえる発言だった。
イングラム・ユーゼック・ゲイネン・キャロル・ベルトロッティ法律事務所で反トラストを専門とするイー・ワー・チン氏は、この発言について、全体的な権限が縮小されるなか、反トラスト当局としての役割に専念しようとしていることの表れ、と指摘。「NDRCは今後も、AML(独占禁止法)に基づく権限強化に邁進するだろう」としている。
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