30年前から1.5倍、学校での子どもの骨折の原因 子どもはどのような場面での骨折が多いのか

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その一方で、スポーツ庁による広報サイト「DEPORTARE」によると、中学2年生の女の子について、1週間の総運動時間が60分未満(1日あたり9分弱)といった「ほとんど運動をしない」子どもの割合が2割程度であるのに対し、900分以上(1日あたり2時間強)といった子どもも多く、子どもの総運動時間の二極化が進んでいる可能性が示されています。

(出所)スポーツ庁web広報マガジンDEPORTARE 「~子供の運動習慣における課題とは~ 「二極化」の改善に取組む「体育」の優良事例をレポート!」

運動部に所属している、あるいは、習慣的に運動を実施している子どもは、体力、運動能力が高いことがわかっていることから、特に運動習慣がない子どもについて、食生活の変化や運動不足、日照不足により骨が弱くなっている可能性があり、子どもの「ロコモ」も心配されています。

未就学児の骨折が横ばいの理由

また、未就学児の骨折は横ばいで推移していますが、その理由として危険な遊具が減ったこと、ケガをするような遊びをしなくなったことなどが挙げられることが多いようです。

こういった背景の中、2016年度から、学校の健康診断に「しゃがみ込むことができない」「体を前屈、後屈できない」「片足立ちを5秒保てない」「関節に痛みがある」「両腕とも痛みなく、完全に上まで上げられない」などの運動器の確認項目が新たに追加されました。

過度に高度な激しい運動をする必要はなく、幼少期から、個々の体力、身体の成長に見合った運動をバランスよく行うこと、スポーツに慣れ親しむことが重要とされています。

村松 容子 ニッセイ基礎研究所保険研究部 准主任研究員

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むらまつ ようこ / Yoko Muramatsu

死亡・疾病発生リスクについて、統計的にその発生状況を算定すること、および、消費者調査を通じて消費者がどのようにリスクに対応するのかを研究。国が公表している疾病統計以外にレセプトデータ、健診データ、健康に関する消費者の意識調査などを使ってさまざまな視点から分析している。ニッセイ基礎研究所の著者ページはこちら

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