「たまごかけごはん」一大ブームを起した村の今 地方活性化に求められる「地域商社」とは

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雲南市の伝統神楽「出雲神楽」の様子(写真:みずほ総合研究所)
日本の総人口は21世紀に入ってから減少に転じているが、地方圏では早くも高度経済成長期前から人口が減少していた県がある。今や、そうした地域では域内マーケットだけに依存できない状況に直面している。

経済がわかる 論点50 2020 』(みずほ総合研究所著)の執筆者の1人である岡田豊氏が、「地域商社」ビジネスの重要性について解説する。

地域商社に求められる3つの視点

地方圏では人口減少が本格化しており、地域経済は域内マーケットだけに依存していては厳しい。また、製造業の工場誘致の促進や公共事業の実施など地域で足りないものを支援するというこれまでの伝統的な対策は地域経済の活性化につながりにくくなっている。

『経済がわかる 論点50 2020』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

そのため、近年は地域資源を活用して域外からお金を儲けることが期待されている。具体的には、観光、農業・水産業の六次産業化、特産品の開発などが該当しよう。

そして、このようなビジネスの担い手として、地域資源を使った商品・サービスにより地域に多くのお金をもたらす組織である「地域商社」に注目が集まっている。

地域産品等を域内外に売り込むためには、商品開発、ブランディング、物流などにおいて個々の事業者だけでは対応しきれない課題が少なくないが、そうした課題に対して、地域商社が何らかの解決策を提供する役割が期待されている。

この地域商社の成功には3つの視点が重要だ。

まず、地域商社には地域にあるこれまでのさまざまな「しがらみ」や「横並び意識」などに左右されない活動が必要とされる。そのためには、ビジネスマインドに富んだ司令塔役が必須となろう。

次に、地域商社には潜在的なニッチ市場の発掘が期待されている。それゆえ、短期的な成果を求めたハイリスク・ハイリターンなビジネスよりも、持続可能性を意識し、ニッチなニーズを深掘りして熱心なリピーターを獲得し、長期にわたって利益を出せるビジネスにすることが肝要である。

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