日経平均が2万4270円を更新する条件は?

IT関連財市況の回復の足取りは引き続き順調

2019年の日経平均株価は大きく下落して始まったが、現在は年初来高値圏。はたして2018年10月高値2万4270円を抜けるのか(写真は2019年1月、撮影:尾形文繁)

日経平均株価は11月12日に年初来高値(2万3520円)を更新した後、同水準でモミ合いを続けていたが、12月に入って2日終値で2万3529円と年初来高値を更新する強調展開となっている。9月から11月にかけての株価上昇は、①IT関連財の在庫調整進展によって製造業を中心に業績底打ち感が台頭する中、タイミングよく②米中通商交渉への合意期待が膨らんだことが主背景である。

今回は2018年10月の2万4270円(終値ベース)を更新するための条件とそのリスクを探った。

IT関連財市況の足取りは順調に推移

まず、株価上昇のベースとなったIT関連財市況の回復の足取りは引き続き順調にみえる。9月の世界半導体売上高(3カ月移動平均)は前年同月比マイナス14.6%と依然厳しい状況にあるものの、前年同月比下落率は6月のマイナス16.8%をボトムに緩やかな持ち直し傾向にあり、最悪期脱出を示す形になっている。

それに呼応するように世界の企業景況感は底打ち感が強まり、グローバル製造業PMIは7月をボトムに4カ月連続で改善し、水準は節目の50を回復した。サブ項目をみると「生産」と「新規受注」が上向く一方、「在庫」が減るバランスのよさを伴っており、ヘッドライン以上に明るい印象を受ける。またそうした中で「受注残」が増加していることも好感される。

こうした外部環境の中、日本のマクロ統計も改善の兆候が認められている。最も代表的なのは、鉱工業生産統計で示されている電子部品・デバイス工業の在庫減少である。2018年後半に前年比40%強まで積み上がった在庫は、19年6月にマイナスに転じると9月はマイナス20%弱まで減少した。出荷(≒売り上げ)の鈍さは残存しているため、現況が劇的に改善したわけではないが、追加的な減産に追い込まれるリスクは後退したと判断してよさそうだ。

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