米民主党「ウォーレン大統領」は誕生するのか

バイデン、サンダース氏ら「4強」で混戦模様に

例えば、バーニー・サンダース上院議員(78)はヨーロッパ型の社会福祉国家を志向している。エリザベス・ウォーレン上院議員(70)は広がりすぎた格差を是正するため、富裕層への資産課税を主張している。そうした左派の強烈な主張に押され、穏健派の声が勢いを欠いているのが現状だ。

穏健派の有力候補がジョー・バイデン前副大統領(77)だが、高齢であり、2度にわたり大統領候補に名乗りを上げ、撤退した過去がある。人種差別を肯定するような過去の発言が批判されるなど、長い議員経験(1973~2009年に上院議員)がむしろ逆効果になっている印象すらある。トランプ大統領のウクライナ疑惑の背景に、バイデン氏と彼の次男に対する疑惑があることも信頼性を損ねる材料だ。

「バイデン氏はフロントランナーゆえに他候補からの攻撃対象になりやすい側面はあるが、それ以前に穏健派をまとめるだけの求心力を欠く。このまま選挙戦を勝ち抜けるほどの勢いを感じない」と、今村氏は評する。

ウォーレン氏の支持率は頭打ちに

とはいえ、穏健派としても左派に政権を任せるわけにはいかないということで浮上しているのが、インディアナ州サウスベンド市長でLGBT(性的少数者)であることを公言したピート・ブティジェッジ氏(37)であり、最近出馬を表明したブルームバーグ氏だ。さらに、「(元国務長官の)ヒラリー・クリントン氏(72)に再挑戦してもらいたいという待望論まで出ており、まったくまとまり切れていない」(今村氏)。

一方、左派のほうも、その急進すぎる主張が支持者の迷いを生んでいる。いったん民主党候補として抜け出すかとみられたウォーレン氏の支持率はここにきて頭打ちとなっている。資産課税や国民皆保険といった同氏の政策だけでなく、大統領候補としての成熟度に対しても、支持者の疑問が広がりつつあるようだ。

「ウォーレン氏は典型的なポピュリストであり、サンダース氏ほどの信念もないため、選挙のための調子のいい発言が見透かされている」(今村氏)。そのサンダース氏については、10月に心筋梗塞で一時入院するなど健康面での不安も抱える。

上院で弾劾裁判が開催され、かなり長引くようなことになれば、民主党の大統領候補の選出にも影響が及ぶ。2020年2月3日のアイオワ州党員集会を皮切りに大統領候補を各州で絞り込む予備選が始まるが、ウォーレン、サンダース氏ら上院議員は弾劾裁判で陪審員を務めるため、予備選に十分注力できない可能性があるためだ。

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