米民主党「ウォーレン大統領」は誕生するのか バイデン、サンダース氏ら「4強」で混戦模様に

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11月20日に開催されたテレビ討論会で民主党の候補が舌戦を繰り広げた。左からエリザベス・ウォーレン上院議員、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース上院議員(写真:ロイター/アフロ)

2020年11月3日に実施されるアメリカ大統領選挙の投票まであと11カ月となった。共和、民主両党の大統領候補を選ぶ予備選の開幕まであと2カ月となり、選挙モードが本格化している。

焦点は、民主党が誰を大統領候補に選ぶのか。世界中を振り回している共和党のドナルド・トランプ大統領(73)が再選を果たすのかだ。2008年から2017年まで丸紅ワシントン事務所長を務め、現在もアメリカの政治経済情勢をウォッチしている今村卓・丸紅経済研究所長の解説を交えて展望する。

ウクライナ疑惑で「トランプ弾劾」の可能性は?

再選を目指すトランプ大統領にはまず目先のハードルがある。ウクライナ疑惑をめぐる弾劾調査の問題だ。

アメリカ議会は10月末に大統領弾劾手続きの開始を正式に決定した。トランプ大統領がウクライナに対し、軍事支援の見返りに民主党大統領候補のバイデン前副大統領に関する調査を行うよう圧力をかけた疑惑に関するものだ。

11月中に公聴会などが行われたが、12月中には民主党が過半数を占める下院で弾劾訴追が決議され、年明け1月上旬から上院で弾劾裁判が行われる可能性が高い。長くても2月半ばには終わると見られる裁判の結果、上院議員の3分の2以上が弾劾に賛成すれば、大統領は解任される。

だが、「よほどの新事実が浮上しない限り、トランプ氏が弾劾される可能性は極めて低い」と今村氏は話す。上院は全100議席のうち共和党が53議席と多数を占め、共和党議員の離反は現状ほとんど見込まれないためだ。

公聴会での証言をみる限り、トランプ氏は限りなく「クロ」に近い。とはいえ、ニクソン大統領が1974年に辞任に追い込まれたウォーターゲート事件のような不正の決定的証拠は出ていない。「共和党を支持する有権者の9割がトランプ支持で、そのほとんどが弾劾に反対している。2020年に選挙を控える改選議員をはじめ、共和党の上院議員が弾劾に賛成票を投じることは考えにくい」(今村氏)。

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