米民主党「ウォーレン大統領」は誕生するのか

バイデン、サンダース氏ら「4強」で混戦模様に

ただ、トランプ氏が弾劾を逃げ切っても、そのまま現職の大統領候補として有利な戦いを進められるかというと、決してそうではなさそうだ。

「トランプ氏は前回の大統領選でギリギリの勝利だったが、今回も支持基盤が広がっているわけではなく、前回並みの際どさで選挙戦に臨むことになる」と今村氏は指摘する。トランプ氏の支持率は45%程度が上限で、50%を上回ったことがない。いくら共和党の支持基盤が盤石とはいえ、選挙に勝つには無党派層か民主党派の一部を取り込む必要があるが、それは容易ではない。

民主党候補にも十分勝機がある

金融市場では、景気が堅調なため現職大統領が有利との見方は強い。アメリカ景気は減速傾向とはいえ、125カ月連続という史上最長の拡大が続き、失業率も3%台と歴史的低水準にある。過去に現職が再選を狙って負けたのも景気後退期だった。

だが、「今回もその経験則どおりにいくかというと、かなり怪しい。そもそも景気が選挙の大きな争点になっておらず、景気がいいのがトランプ氏のおかげと思っている国民も多くはない」と今村氏は疑問を呈する。

選挙の争点はむしろ医療保険改革や移民問題で、景気自体に対する国民の関心は低下している。トランプ減税といっても恩恵が大きいのは企業や富裕層であり、その効果も薄れてきている。大統領選までに新たな意味のある経済政策を打とうとしても、議会民主党の反発で難しい情勢だ。

つまり、民主党候補には十分な勝機がある。問題はその勝機を生かせるかだが、今のところ民主党の選挙戦もうまくいっているとはいいがたい。最近になって前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(77)が出馬を発表したが、指名争いの混迷ぶりを象徴している。

民主党陣営の問題点について今村氏は、「支持層の幅が思想的に大きく広がっていること」と分析する。とくに、政府の規模や社会福祉の拡大を志向するリベラル層の広がりが顕著だ。ただし、リベラル層の支持だけでは選挙に勝てない。無党派層の票を取りにいくには、もっと穏健な政策が必要だが、そうした政策にはリベラル層の不満が根強い。

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