進むテレビ広告離れ、キー各局の「秘策」とは ネット広告伸長などでスポット広告が2桁減

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テレビ広告に逆風が吹く中、各社の対応は分かれている。放送外の収入を大きく伸ばそうとしているのがテレビ東京HDだ。「放送だけをやっていくのは難しい。放送外の収益を伸ばしていく」(小孫茂社長)。

テレビ東京の放送外収入の比率はすでに30%を超えており、今後は40%以上を目指していくという。「NARUTO」や「BORUTO」などのアニメコンテンツが中国などを中心に人気を博しており、そうしたライツ関係の収入を伸ばしていく意向だ。

テレビ朝日HDもテレビ東京同様、テレビコンテンツを生かした収入拡大を目指す。2020年度までの中期経営計画では「360°展開」と銘打ち、AbemaTVなどのネット配信やイベント事業の強化などを掲げている。

フジは都市開発事業の利益が本業を逆転

しかし、テレビ東京には現在人気のコンテンツ以外に伸びている作品は見当たらず、どのようにして次なる大ヒットを生み出すかが課題で、競争が激しい領域のため見通しも楽観できない。

一方、放送外分野の収益を拡大しようとしているのがフジテレビを有するフジ・メディアHDだ。同社は11月の決算説明会で放送事業が柱だと強調しつつも、放送とは関わりの無い新規事業への拡大も示唆している。

2012年に完全子会社化したサンケイビルが大きく寄与し、2019年4~9月期の営業利益は、都市開発・観光事業がメディア・コンテンツ事業を上回った。同社は9月30日時点で638億円の現預金を保有している。今後、新分野の投資戦略を打ち出すと明言しており、M&Aも含めた投資が活発になっていくと考えられる。

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