死んだヤマもよみがえる神戸製鋼の省エネ製鉄法、資源活用の未来図を塗り替える!?


 「高炉の代替になるためには、かなりの量のアイアンナゲットが流通しないとマーケットが成り立たない。電気炉の特定用途にだけ使っていては、量が限定されてしまう」。佐藤廣士社長も、目下の課題を十分認識している。

ところが、そんな悩みを打破できるかもしれない官民共同プロジェクトが、日本を挟んでミネソタから地球の反対側、赤道直下のインドネシアで進められていた。

南カリマンタン州都のバンジャルマシンから南東へ百数十キロメートル。サツイ石炭鉱区の一角で、昨年12月から低品位石炭の改質実証プラントが稼働を始めている。

原料に使われるのは、水分を多く含む、褐炭と呼ばれる石炭だ。世界中で大量に埋蔵が確認されているにもかかわらず、あまりの発電効率の悪さから、これまでほとんど利用されてこなかった。そんな低品位炭を発電用途でも使えるように品質を上げようというのだ。

プラントでは、褐炭を粉々に砕いて石油と混ぜ合わせたものを加熱。水分を蒸発させたあと、油と分離したものを固める。天ぷらを揚げる要領で、石炭を素揚げにすれば出来上がりというわけだ。2009年度末まで日産600トンを生産し、日本の電力会社に出荷。10年度から営業を本格化させる方針だ。

“天ぷら石炭”の仕向け先は、現状ではあくまでも電力向け。製鉄用ではない。ただ、ITmk3も製鉄用ほど高品位な石炭を必要とはしない。発電用の石炭で十分賄える。「それぞれの技術が確立すれば、ITmk3と組み合わせるのは自然なこと。どちらも特別な原料を使ったり、特異な製品を作っているわけではないのだから」と語るのは、村越久人・石炭エネルギープロジェクト部担当部長。頭の中では、新技術の合流は規定路線だ。

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