最短で「簿記資格を取りたい人」が知るべき要点 人気講師が伝授する「独学で合格するコツ」
「簿記の学習は仕訳に始まり、仕訳に終わる」といわれます。それほど仕訳の学習は肝なのです。
仕訳とは、簿記の取引内容を「勘定科目」と「金額」のみでシンプルかつ合理的に表した簿記独自の記録方法です。仕訳の内容を基に、その後の集計作業に進み、最終的には外部向けの報告書にまとめ上げるので、仕訳はまさに簿記学習の礎といえるのです。
さまざまな学習テキストで、仕訳について取引の種類ごとに紹介されていますが、大事なのは仕訳の丸暗記に終始しないことです。そもそも取引の種類も非常に多いですから、全部丸暗記することは不可能です。
そこで、「仕訳の方法」を理解することが大切となります。仕訳で出てくる勘定科目にはそれぞれ所属するグループがあり、そのグループごとに明確な特徴がありますから、まずはそれを押さえ、そのグループが所属するポジション(借り方・貸し方)を覚えましょう。
最初は何度もテキストを参照することになるでしょうが、おっくうがらずに辞書のようにその都度参照し、その所属グループも一緒に確認して覚えてください。初めのうちはコピーを取って、勉強中はつねに傍らに置いておくと、すぐに参照できて便利です。
仕訳を作る際のポイントとしては、「まず現金の動きを押さえること」が挙げられます。簿記は「お金やモノの動きを記録する」ことですから、当然、現金が関わる動きが多くなります。
そこで、お金にまつわる取引の場合には、まずは取引によってお金が入ってきたのか(現金をゲットしたのか)、出ていったのか(現金を払ったのか)を確認し、お金が入ってきたのであれば現金を借方(左側)に、お金が出ていったのであれば、現金を貸方(右側)に当てはめます。そして後は相手勘定科目を考えていくのです。
学習している該当部分をつねに把握しておく
「木を見て森を見ず」とは勉強の際にも言えることです。
自分が今、学習している項目は、全体の流れでいえばどの部分なのかを意識することが大切です。今、その瞬間に学習している内容はピースの1つにすぎませんが、そのピースがほかのピースと組み合わさり、どのような森をつくり上げているのかを意識することによって、自分の今いる位置がわかり、体系的な理解につながります。
簿記の場合、「簿記一巡の手続き」といって、取引→仕訳→転記→試算表→財務諸表といった年間スケジュールに沿って手続きが行われています。自分が学習している部分がその中のどの部分に該当するのかをつねに把握しておくとよいでしょう。
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