プロミス社長交代の深層、創業家から銀行出身者へ
9月のアイフルの私的整理に続いて、異例のタイミングでの社長交代劇が業界に波紋を広げている。
消費者金融大手のプロミスは9日に社長交代を発表。創業家出身の神内博喜社長が代表権のない会長に退き、11月1日付で三井住友銀行出身の久保健副社長が社長に就く。
今回の人事は神内社長が自ら決断したもの。会見で「銀行出身者の社長就任は、(プロミスの)信用補完になる」としたように、銀行との関係強化で生き残りを懸けようとの強い意思がうかがえた。
不穏なうわさで株価下落
同社が三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)と資本提携に踏み切ったのは2004年。以後、共同でローン事業を展開しており、SMBCは現在、約20%の株式を保有する筆頭株主だ。いわばプロミスは資本基盤が盤石な消費者金融となっていたわけだが、過払い利息の返還請求額が減らず、今年夏以降には株価下落が目立ち始めた。
一方、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は昨年、アコムへの出資比率を4割近くに引き上げ、グループのローン保証債権を移管するなど関係強化を推進。これに比べて目立った動きが見られないことから「三井住友とプロミスが資本提携解消か」とのうわさも飛び交い、株価をさらに押し下げる要因となった。
そうした中、神内社長が苦渋の決断を下したのは9月中旬ごろ。同下旬にはSMBCへ退任の意思を伝えていたようだ。
新たに社長に就く久保氏は07年からプロミスへ転出。会見では社内にプロジェクトチームを設置し、不採算事業やグループ戦略、営業戦略などの見直しに着手すると言明した。年明けに具体策をまとめ、実行に移す予定だ。