ヤフー・LINE「統合」で得る最も価値あるうまみ サービスの連携や統合は本質ではない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

例えばLINEがLINE PayとLINEクーポンとLINEポケオというサービスを開始して以来、私のLINEのトーク画面には毎日、お得なキャンペーンがあるので他社とのサービス連携サービスをもっと使うように(ニュアンスとしては使うといいよという感じではありますが)という通知ばかりが来るようになりました。

うるさいので通知は切るようにしたのですが、それでもつねに友達からの通知よりもそれらのLINEサービスが上部に表示されるので、友達とのやり取りが埋没して目立たなくなってしまっています。

ユーザーとしての立場で言えば、LINEが他社とのサービス連携などせずに、これまでのサービスのままのほうがよかったと感じるわけで、結局のところサービス連携は往々にして事業者側のサプライヤーロジック(供給者論理)の域を出ないという結果になりがちです。

サービス統合のメリットは?

次にサービス統合というのは、同じようなサービスを統合してコストを下げるという考え方です。

いちばんわかりやすいのが話題のQRコード決済サービスの統合です。調査によれば直近のQRコード決済の利用率シェアではPayPayが44%、楽天Payが17%、LINE Payが14%だそうです。

もしPayPayとLINE Payがサービス統合をすれば単純計算で利用率シェア58%の国内最大のQRコード決済サービスが誕生します。こういったネット上の新規サービスは独り勝ちのビジネスモデルになることが多いものですから、こうなればQRコード決済に関してはヤフー・LINE陣営の独り勝ちが決定しそうです。

サービス統合の効果としては、これまで別々に開発してきたサービスの開発コストがひとつぶんで済むことになりますし、ユーザーを集めるために行ってきた100億円キャンペーンや300億円キャンペーンといった競争をやめても大丈夫になるということが論理的には考えられます。これがサービス統合です。

ただ後述するように私はヤフー・LINE陣営はサービス統合によるコストダウンなど狙っても効果は薄いと考えています。実際に両社の経営者がしっかりしていればそういったことは起きないと思いますし、むしろQRコード決済のキャンペーンはこれからますますエスカレートしていくだろうというのが私の見方です。

次ページQRコード決済以外は統合効果薄い?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事