NHK「受信料7000億円」肥大化に募る厳しい視線

受信料徴収に巨額経費が使われる深刻な矛盾

NHKはこれを受け、今年10月に消費増税分を上乗せせず、実質2%値下げした。そして来年10月にはさらに2.5%値下げする。そのほか負担軽減策も実施し、NHKの経営計画によれば、2019年度の受信料収入は2018年度に比べ、30億円減収、2020年度はさらに78億円減収となる見込みだ。

収入に上限があれば、視聴者にもメリット

「NHKの受信料収入は、5000億円くらいをメドに上限を設けるべきだ」

そう話すのは、元総務相政務官で放送改革やネット同時配信の議論に携わってきた自民党の小林史明・衆議院議員だ。上限を決めれば、支払率が上がれば上がるほど、1人当たりの負担は下がる。一方で現状は、受信料を払う人が増えても、すでに払っている視聴者にはメリットがない。「NHK側にもある程度は理解してもらったと思っている。直近の値下げはこの考え方に基づいている」(小林氏)。

ガバナンス面でも課題は山積している。今年9月には、かんぽ生命保険の不適切販売を取り上げた報道をめぐり、日本郵政が抗議し、NHKが続編の放送を見合わせたことが明らかになった。さらに抗議を受けた経営委員会が上田良一会長を厳重注意し、会長名で事実上謝罪する文書を郵政側に届ける事態に発展。NHKの報道の独立性を揺るがす事実が浮かび上がった。

今回、『週刊東洋経済』は一連の課題や今後の方針について話を聞くべく、上田会長への取材を申し込んだが、実現しなかった。その上田会長の任期は来年1月まで。次期会長人事にも注目が集まる。肥大化やガバナンス不全の指摘にどう応えていくのか。国民のまなざしは厳しくなる一方だ。

『週刊東洋経済』11月23日号(11月18日発売号)の特集は「NHKの正体」です。
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