NHK「受信料7000億円」肥大化に募る厳しい視線 受信料徴収に巨額経費が使われる深刻な矛盾

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NHKの振る舞いに対する不満は大きい。それが顕在化したのが、元NHK職員の立花孝志党首率いる「NHKから国民を守る党(N国党)」の躍進だ。「NHKをぶっ壊す!」と連呼して脚光を浴び、今年7月の参議院選挙では比例代表で90万票以上を獲得、1議席を確保した。選挙区でも得票率2%を達成し、政治資金規正法、政党助成法が定める政党要件を満たした。

受信料に対する不満は、これまでもNHKについて回っていた。2004年に紅白歌合戦の担当プロデューサーによる制作費の不正支出が発覚。受信料の不払いが広がり、受信料収入は1年で400億円近く減少し、支払率も70%を切った。これを機にNHKのあり方を見直す議論が始まった。

2012年度に初の値下げ

長期間の議論を経て、2012年度にNHKとして初めての値下げが実施された。衛星放送を含まない地上契約の場合、2カ月払いの月額換算で口座振替の場合は1345円から1225円に120円引き下げられた。

値下げと同時に進められたのが、経費の削減だ。受信料徴収のために年間800億円以上をつぎ込む営業経費を抑制すべく、2008年には訪問集金を廃止し、引き落としや振り込みに統一した。2009年には公開競争入札による受信料契約・収納業務の法人委託を開始。個人委託の訪問員である地域スタッフを削減し、効率化した。

2012年度には職員の給与削減の方針を発表。2013年度からの5年間で基本賃金を約10%削減。会長や役員の報酬も一部カットされた。

値下げによって、NHKの収入はいったん落ち込んだものの、再び拡大に転じた。冒頭で説明したように、支払率を引き上げてきたからだ。

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