れいわとN国党に通じる不安な個人への訴求力

見慣れた現実が「別の現実」の介入で反転する

「れいわ新選組」の山本太郎代表(左)と、7月の参議院選で当選した「NHKから国民を守る党」の立花孝志議員(写真:つのだよしお・Motoo Naka/アフロ)

参院選で世間の注目を集め、その後も話題が尽きない「れいわ新選組」と「NHKから国民を守る党」(N国党)。

この2つの政党の台頭を強引に一言で説明するとすれば、「政治とメディア」をめぐる状況の地殻変動に根差す「直接民主主義的なものへの期待感」が、「国政選挙」へダイレクトに反映された結果ということになるだろう。そして、今後この動きは加速しそうだ。「誰が本当のことを語っているか」についての「リアリティーの分断」が深刻化するかもしれない。

「政治とメディア」をめぐる状況の変化は、2013年の公職選挙法改正が起点だ。 同年4月からインターネットによる選挙運動が解禁され、同年7月の参院選から実質的に導入された。それから6年を経てついに新しいフェーズに突入したと言っていい。

ソーシャルメディアを巧みに使った「れいわ」

「れいわ」は、短期間の間にソーシャルメディア上で効果的な情報発信をした。ライブ配信をはじめ代表の山本太郎氏の演説動画をアップし、公約の訴え方、候補者の人選を含めて「エンターテインメント性」の高いコンテンツに仕上げ、「れいわ祭り」と銘打った街頭演説会は、野外フェスのような熱気に包まれ、参加者の当事者意識を呼び覚ました。

「N国党」は、NHKの集金人からの被害に対する草の根活動と並行して、YouTubeを最大限に活用し、「(視聴していないのに受信料を支払う)正直者が馬鹿を見ない社会にすること」を徹底的にアピールした。こちらは代表の立花孝志氏がユーチューバーとして活躍しており、つねに「エンターテインメント性」のある刺激的な話題で人目を引く術を心得ていた。

両党に共通しているのは2つ。直接民主主義に近い感覚をもたらす「政治家と対話が可能な距離感」と、絶望的な社会状況に嫌気が差している多様な階層に対する「個人的な不安へのアプローチ」の重視である。

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