辞める若者は「給料横並び」にウンザリしている 大企業の管理職世代が気づかない“異変"

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このように、社員からすれば「もっと高い給与がもらえる」と思えるのに、給与は一律というルールになっている会社がいまだにたくさんあります。成果や役割によって給与の差を明確につけている新興系企業の社員からすれば「ありえない」と感じるかもしれません。が、入社から一定の期間は給与格差がない(限りなく少ない)会社が多いのです。

若手社員の離職理由

非正規社員と正社員の間で同じ仕事をしているのに、給与や待遇に大きな格差がある。ところが正社員では成果や経験に違いがあっても格差が少ない。そのことが不満の温床になっている……このような問題もさまざまな会社が抱えています。

では、どうして同じ会社の正社員同士では、格差が生まれないのでしょうか? その大きな要因と考えるのは「総合職」の存在かもしれません。

総合職は将来的には管理職になることを期待される幹部候補なので、さまざまな職種を経験するケースが多く、異動や転勤が発生することが前提となっています。また長期にわたって勤務することを前提とし、給与の格差を短期的に出さない。人事異動で配属された部署によって優位や不利が起きないように、給与で差がつかないように配慮する――。

こうした給与体系が、長期的な勤務=会社へのロイヤルティーを高めると判断して、正社員の人事制度の中心に置かれてきたのです。

ただ、こうした格差が少ない状態に、いよいよ無理が出てきています。それが不満を生み、社員の離職の要因になりつつあるからです。しかも、その傾向が若手社員ほど顕著になりつつあります。

例えば、学生人気ランキングで上位に入っている大企業で、若手社員の離職が増えてきました。その退職理由の1つに、格差がない給与があるようです。

人気ランキングに名前が挙がるような大企業の大半は、30代くらいまでは育成目的でいくつもの職場を経験させる傾向があります。育成目的であるがゆえに、給与に大きな違いが出ません。まさに格差がない状態なのですが、それが不満と感じて辞めてしまうのです。

「若手社員であっても、成果の違いを給与に反映してほしい。あるいは若くても高い給与をもらえる会社になるべき」……そう感じている若手社員の話も聞いたことがあります。

格差はないほうがよい、と考える会社とはギャップが生まれているということでしょう。最近の若手社員は横並びが好きで、人事評価で差がつけられることが嫌い、と思われている傾向があります。『世界に一つだけの花』の歌詞のように、オンリーワンであればいいと若手が思っていると信じ込んでいる先輩社員や上司はかなり多いかもしれません。

人事評価で半年とか1年間に区切った場合に、どのような項目で評価されるのか? さらに自分の評価により給与がどれくらい上がるのか? 彼らはむしろ、気にしています。

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