2019年も残り2カ月余り。肌寒い日も増えてきたが、毎月の収支を気にしながら冬のボーナスがいくらもらえるのか、気になっているビジネスパーソンも多いだろう。
東洋経済オンラインでは会社に新卒(22歳)で入社して定年(60歳)まで働いたときに取得できる総額である「生涯給料」の全国版ランキングを作成。トップ500社の最新結果をまとめた。
対象としたのは『会社四季報』に掲載している上場企業約3700社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業などを除いた3241社。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額(所定内給与+賞与)から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが提出会社のものであるため、単体の年収数字となっている。
なお、本社の中枢機能を担う社員しかいないケースの多い、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いた。また、ランキング表内で社名末尾に「*」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
高給企業が多いM&A助言業界とキーエンスが突出
1位のM&Aキャピタルパートナーズは10億7394万円。今回のランキングでは唯一の「推計10億円超え」となった。2位はキーエンスで8億6057万円。いずれも理論上の試算値にはすぎないものの、年収ランキングの上位常連企業が他社を圧倒する結果となった。ほかにも、3位GCA(7億8287万円)、4位ストライク(6億0187万円)などM&A助言業が上位に名を連ねている。
また、5大総合商社と目される、三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・丸紅・住友商事は5社ともトップ20にランクイン。こうした待遇面での魅力が、就職人気の高さにつながっているものとみられる。
対象企業の平均生涯給料は2億2304万円。母数がやや異なるものの、昨年同時期のランキング(2億2052万円)から若干増加した。また、生涯給料3億円超は215社と昨年の189社から増加。ただ、全体でみると7%弱に限られている。