10月28日に配信した「生涯給料!『全国トップ500社』ランキング」には多方面から反響が寄せられた。
今回は逆に「生涯給料が低い」全国500社の最新ランキングをまとめた。「トップ500でランキングをすると、まるで500位が低いように見える」「給料の高い会社ばかりではなく、高くない会社の情報も知りたい」という読者からの声もあり、全体像を知ってもらう狙いもある。
給料は企業で働いている限りずっともらい続けるものだ。短期的ではなく積み上げて考えてみないと、給料の本当の差は見えてこない。会社に新卒で入社してから定年まで働いたときに総額ではいくらになるのか、東洋経済はこれを「生涯給料」と定義している。
対象としたのは『会社四季報』に掲載している上場企業約3700社のうち、単体の従業員数が20人に満たない場合や、平均賃金の発表がない企業などを除いた3241社。
各社直近の有価証券報告書の公開データと、厚生労働省が調査・公表している「平成30年賃金構造基本統計調査」の5歳刻み賃金額（所定内給与+賞与）から業種分類ごとに賃金カーブを算出し、それを各企業の平均年収と年齢に当てはめて試算した。あくまで理論的に割り出した推計値ながら、一定の目安となるはずだ。
グループ企業については、連結ベースの年収を算出するのがベストだが、基データとして使用している有価証券報告書のデータが提出会社のものであるため、単体の年収数字となっている。
なお、本社の中枢機能を担う社員しかいないケースの多い、年収が製造現場などの実態より上振れる傾向にある純粋持ち株会社も一部除いた。また、ランキング表内で社名末尾に「＊」のある会社は主要子会社のデータを採用している。
全社平均は前年比微増の2億2304万円
対象企業の平均生涯給料は2億2304万円。近年の好況感や賃上げを政府が後押ししている影響もあってか、昨年のランキング（2億2052万円）から若干増加した。
なお、会社によっては専門職や定年後の再雇用社員などを集計対象に含み、平均年収や平均年齢との関係から、いわゆる正社員の平均的な実態と乖離がある場合もありうる点には注意いただきたい。大都市に本社を置きながらも全国に幅広く展開していたり、大都市以外の特定地域に製造拠点が集中していたりする企業では、地方の安い給与水準に全体が引っ張られているようなケースもある。
利益率の高くない事業を手がけていたり、業績が苦しかったりと生涯給料が高くない会社の事情はそれぞれだ。ただ、地方の場合は給与が大都市より低くても、家賃や食料費などの物価が安い場合があり、生活水準が比例しないケースも少なくない。
