トランプ氏の弾劾公聴会で世論は動くのか

2極化社会で民主・共和の対立は激しさ増す

公聴会によってトランプ大統領の弾劾を支持する世論は形成されるか(写真:REUTERS/Leah Millis)

11月13日、ウクライナ疑惑をめぐり、いよいよトランプ大統領の弾劾公聴会が始まる。アメリカのテレビ局各社はライブ中継で公聴会を放映。これまでの調査は、民主党が極秘に行ってきたと、共和党が批判してきたが、これからは公聴会を通じ多くの国民の目に触れることとなる。公聴会のトップバッターはビル・テイラー駐ウクライナ代理大使とジョージ・ケント国務次官補代理(ウクライナ担当)だ。

2日後にはマリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使も証言する。いずれも今回のウクライナ疑惑をめぐる証言者の中ではエース級だ。証言者選定など主導権を握る下院多数派の民主党は、弾劾公聴会の最初と最後でインパクトのある証言をそろえ、「大統領弾劾」の方向へ世論形成を図る狙いだ。

民主党はいずれも政治的影響を受けていない経験豊富なキャリア官僚3人を国民に披露することで、民主党主導で進める弾劾の正当性を明示し、国民の支持獲得を目指している。証言内容はすでに一般公開されており、公聴会を通じて証言者が信頼できる人物であるかを国民が見極めることとなる。だが、今の2極化したアメリカ社会では、同じ公聴会について保守系とリベラル系のメディアが正反対の解釈を行って、報道する可能性が高い。

公聴会によって、弾劾支持の世論形成を狙う

9月24日にペロシ下院議長が正式に大統領弾劾調査の開始を表明してから、初めて、弾劾に対する支持が反対を上回った。ファイブサーティエイトの世論調査によると、調査開始表明から1週間で、38%だった弾劾支持が40%代後半に上昇した。しかし、その後、支持率は伸び悩んでいる。

10月31日、下院は弾劾調査の手続きに関する決議案を可決した。賛成232票は民主党が231票、無党派が1票。反対は196票で、うち民主党が2票、共和党が194票だった。つまり、ほぼ党派に基づき投票している。

こうした状況の中、民主党としては党派対立とのイメージを払拭し、弾劾支持の方向へ世論を動かしたい。10月以降、議会の機密情報隔離施設(SCIF)にて下院が非公開で行ってきた供述聴取に基づく証言記録は、公聴会出席者3人のものも含め、すでに公開されている。だが、これを読んでいる国民は少ない。テレビを通じて証言者が自らの言葉で大統領の行為を語ることでメディアやオンライン上で広まり、国民の認知度は抜群に高まる。公聴会を通じた世論形成に民主党は期待している。

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