「インスタ映え」に若者が超熱中する社会的背景

なぜ人はパンケーキ写真を投稿するのか

なぜインスタグラムは、「映え」を意識したオシャレな写真が多く投稿されるようになったのだろうか(写真:Pangaea/PIXTA)  
わずか9年でスマホユーザーにとって、最も重要なSNSの1つにまで成長した「インスタグラム」。同サービスはいかに生まれ、いかに利用者を加速度的に増やしていったのか? 電通メディアイノベーションラボ主任研究員である天野彬氏の新刊『SNS変遷史 「いいね! 」でつながる社会のゆくえ』より、一部抜粋してお届けする。

SNS拡大期の最大の立役者こそが、インスタグラムだ。インスタグラムは2010年にサービスが開始されたが、初めはそもそも名前さえ異なるものだった。それが現在ではスマホユーザーにとって最も重要なSNSの1つにまで成長した。

現在では世界中で10億人のMAU(Monthly Active Users・月当たりのアクティブユーザー数)を誇る。そこまでに、わずか9年しか要していない。

インスタグラムは、ビジュアルコミュニケーションの中心地で、ユーザーが写真を撮って自分の体験を手軽にシェアするための場を築いた。

スマホの操作に長けた若年層は写真の加工もお手の物で、自分なりの世界観(=ウォール/フィード)をつくり上げるために自分の経験をシェアする。

インスタグラム誕生秘話

もともとは“Burbn(バーブン)”という名前で、知り合いと自分の予定や位置情報を共有するためのアプリであった。

この一風変わった名前の由来は、インスタグラム創業者のケビン・シストロムが「マフィア・ウォーズ」という1920年代の禁酒法時代をモチーフにしたゲームを愛好していて、お気に入りのピザ屋やバーを「ファミリー」で乗っ取るそのさまが位置チェックインという仕組みと近く、バーボンをもじってバーブンという名前をつけたのだった。

Burbnの使い方は、例えば週末は新宿で買い物しようと「プラン」機能で登録しておき、実際に当日、自分はいま新宿駅にいるよと「チェックイン」する。そこにたまたま紀伊國屋書店新宿本店にいるとチェックインしている友達を見つけて、そうしたらお茶でもしようかと誘うというようなものだった。

しかしながら、使われ方のデータを見たところ、ユーザーはあまり位置情報をシェアしておらず、その代わりそこで撮った「写真」をシェアしていたのだ。ケビン・シストロムはこの写真シェア機能をはじめはあまり重視していなかったが、当のユーザー自身はこれを求めていたというわけだ。名前も“Burbn”から“Instagram”に変更される。

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