「インスタ映え」に若者が超熱中する社会的背景 なぜ人はパンケーキ写真を投稿するのか
インスタグラムが個人の体験/経験のシェアの場であるという特性がここには反映されているのだ。スマホで見るアプリであること、一人ひとりの体験を解像度高く伝えること、その原則がこれらのタイプ分けからも見えてくるだろう。
実際に、オシャレなアイテム、流行の店やレストラン・カフェに行って写真を撮るとき、そのような構図がそこかしこに見えてくる。その特性ゆえに、そこで行われるコミュニケーションにも逆説的に縛りがかかり、そのコードをユーザーが内面化して発信するとどんどんビジュアルが似たようなものになってくる。
そのようにして、さらにコードが強まっていくという循環がユーザーの憧れのイメージを刺激していくとともに、「こうありたい」とか「こういうことがしたい」というニーズや承認欲求が、ビジュアルのレベルで定着していくのだ。
人々が「インスタ映え」を気にする理由
「パンケーキ」「ピンクの壁」「チームラボプラネッツ」のように、せっかくフォトジェニックなスポットに行ったら、そこでの体験をきれいな形で残したい気持ちはあるし、ネタ的な意味合いも含めて「いいね!」が付きやすくなってうれしいのも確かではある。
「いいね!」を求めてしまう気持ちは否定できないし、SNS自体がそのようなユーザー側の心理を促進するような仕組みをつくっている。
さらに、受け手の視点で考えると、SNSでの投稿を参考にする割合が高まっていることも大切な要因だ。
友達や知り合いがシェアしたものに影響を受けて物を買ったり、その場所へ遊びに行ったりすることが増えているからこそ、みんな自分もそのようにするという影響関係がある。
見られている感覚というのは重要で、それがなくなればユーザーのシェアは止まってしまう。とくにユーザーが増えれば増えるほど、自分の投稿が見られる経験が得にくくなるため、より重要性は高まっていく。そのような背景のもとでも、「映え」を求める気持ちが喚起される。
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