SUBARU「新型レヴォーグ」進化する姿形の本質 東京モーターショーでプロトタイプを初公開

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現在のスバルデザインの原型を作ったのは先代インプレッサだと思っている。フロントピラーを前に出したキャビンフォワードのパッケージングと直線基調のスタイリングは、現行レヴォーグにも受け継がれた。その流れの上にダイナミック×ソリッドがあると解釈している。

具体的に新旧を比較してみると、ヘキサゴングリル、水平対向エンジンをイメージしたというコの字型ランプ、前後フェンダーのブリスター風処理、ワゴンとしては傾斜角が強いリアゲートと短めのリアオーバーハングなどは共通している。

レヴォーグのデザインに見る個性

一方で違う部分を探すと、ヘキサゴングリルが横に広がって頂点がヘッドランプに食い込むように伸びていること、フェンダーの開口部が台形になってプレスラインが追加されたこと、サイドのキャラクターラインが直線ではなく大きな弧を描いていること、リアクォーターウインドー下端のラインが明確に跳ね上がっていることなどが目につく。

フェンダーまわりは「XV」、サイドのキャラクターラインはフォレスターに似るものの、シルバーのボディーカラーのおかげもあってブリスターフェンダーの抑揚は明確であり、ヘッドランプ周辺の処理は現行のスバル市販車にはないものだ。VIZIVアドレナリンコンセプトとも異なる部分が多い。これがレヴォーグの個性になっていくのだろうと理解した。

VIZIVパフォーマンスコンセプト(筆者撮影)

同時に実車を見て、筆者は前回の東京モーターショーに出展された「VIZIVパフォーマンスコンセプト」を思い出した。細かい処理は異なるものの、ヘキサゴングリルとヘッドランプの関係、サイドのキャラクターライン、大胆なブリスターフェンダーと台形の開口部の組み合わせは共通している。

VIZIVパフォーマンスコンセプトは、ダイナミック×ソリッドというフィロソフィーが明確に伝わってくるスポーツセダンであり、デザインの評価は筆者も含めて高かったと記憶している。これが次期「WRX S4/STI」のスタイリングの原型であると思っていた。

ただしレヴォーグとWRXは基本設計に共通部分が多く、デビューはレヴォーグのほうが1年早いので、まずはレヴォーグから新型を披露したというのは理解できる。市販型のデビューもこの順番だろう。

ボディーサイズについては明らかになっていないが、モーターショー会場で広報スタッフに聞いたところ、大きく変わっていないということで、とくに全幅は、フェンダーラインにメリハリを持たせつつ1.8m以内に収めるべく、開発を進めているという。

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