アップルが警鐘「スマホに抜かれる個人情報」

なぜ「検索した物」の広告が表示されるのか

アップルは、消費者だけでなく、開発者向けにもプライバシー配慮を繰り返し説いてきた。写真は2018年6月のWWDC(筆者撮影)

iOS 13にアップデートしてから頻繁に現れるようになったのが、アプリによって位置情報が使われているという通知。その都度「常に許可」「アプリを使用中に許可」「許可しない」の3つの選択肢を選ばされる。

例えば天気アプリや乗り換え案内、d払いなどの決済系アプリなど、実に多くのアプリのアラートが定期的に現れてきて、煩わしいと思う人も少なくないはずだ。正直なところ、アラートの頻度については改善の余地があるし、アップルとしてはユーザー体験、あるいはユーザーの心情への配慮が必要だと感じる。

しかし、なぜアップルがこの通知を出し続けるのかについて、考える必要がある。スマートフォンが取得している位置情報、すなわちあなたの居場所を、アプリがバックグラウンドでいかに多く活用しているのかを可視化しているにすぎないからだ。

裏を返せば、今までわれわれが知らないうちに、いかに多くの情報がアプリや広告、それらを運営する企業に渡っていたかを物語るものだ。

プライバシーに関する情報を公開

アップルは11月7日、プライバシーに関する情報をウェブサイトに掲載した。

アップルはプライバシー問題について、率先してアピールしてきた企業の1つだ。とくに2016年にトランプ大統領が誕生したアメリカ大統領選挙などのキャンペーンにフェイスブックのユーザー情報が活用されていた問題では、世界最大のSNSプラットフォームを厳しく批判したことも記憶に新しい。

ティム・クックCEOは、プライバシーを守るためには規制も辞さないとの考えを示し、App Storeでもプライバシー情報の活用を厳しく管理・可視化する仕組みを整えてきた。

基本的な方針として「データ収集をできるだけ少なく」し、「極力自分の端末の上に保存・管理」する形で、透明性・セキュリティーに配慮しながらプライバシーを守る、という考え方が敷かれている。

そんなアップルも完璧ではない。音声アシスタントSiriを育てる過程で、Siriへのリクエストの音声データの解析を、匿名化しながら第三者企業に依頼していたことが明らかとなり、すぐにそのプログラムの中止を表明するなど、後手に回る場面も見られる。

今回のプライバシー対策のアピールと白書の公表は、業界をリードした取り組みを進めている点を示すと同時に、襟を正す意味もあるのではないだろうか。

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