アップルが警鐘「スマホに抜かれる個人情報」 なぜ「検索した物」の広告が表示されるのか
アップルは、次のアプリを取り上げ、プライバシー対策を行っている点をアニメーション付きでわかりやすく紹介している。
アップルの主張の逆を考える
ウェブサイトではアップルがどんな対策をしているかを紹介しているが、これらがわれわれのスマートフォンとともに過ごしている生活の中で、「プライバシー保護が当たり前」ではないことを表している。
例えばウェブブラウザーであれば、グーグルなどで興味のある情報を検索して製品のページを見てからほかのニュースサイトを見ると、自分が興味のある製品や分野の広告がバナーで表示されていることに気づく。車が好きで車の情報を調べていれば、バナー広告は車だらけになっていくのだ。
別にそのニュースサイトに「自動車に興味がある」と伝えたわけでなくても、ウェブ広告の仕組みとして、車の広告があふれる。これはログインして使うサービスでなくても同じことが起きており、ブラウザー側に情報を記録するCookieを参照したり、画面サイズやフォントなどからアクセスしてきている人が同一人物であると判断する仕組みが活用されている。Safariの対策でアップルは、こうした個人を特定する広告テクノロジーをブロックする、と表明しているのだ。
このように、アップルが「やらない」と言っていることの真逆が、当たり前のように行われているのが現在であり、われわれのプライバシー情報が知らないうちに活用され、ビジネスが生み出されている。
無料で提供されるサービスを広告費で賄っている構造もあり、こうしたテクノロジーが完全に悪だともいえない。しかし善しあしを判断する手前の段階、すなわち「知らない」という状況から脱することは、重要な1歩であると感じた。
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