ジム・ロジャーズ「日本は東京五輪で衰退する」 いずれ「政府への反乱」が起きるかもしれない
東京オリンピックのマラソン・競歩をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)は札幌開催を決めました。東京都はすでに、暑さ対策に約300億円をかけ、マラソンのコース上に遮熱性舗装をほぼ完了させています。マラソンは沿道で観戦することができるので、周辺エリアへの消費効果もあるほか、街並みを世界に発信する機会にもなります。マラソン中止で東京都は数百億円の機会損失を被るという試算もあります。
当然、札幌変更で追加負担も発生します。東京都は追加負担しないと明言していますが、もし、結局は日本が負担するとなれば、誰が払うのでしょうか。オリンピックに興味がない人も追加負担する、ということになるかもしれません。そればかりか、まだオリンピックというものを理解していない子どもたちが「国の借金」として将来返済する羽目になるかもしれないのです。
「公務員」に憧れ、リスクを取らない若い世代
ロジャーズ氏は言います。
「もし私が日本の若者だったら、こうした現実を前に、強い怒りと不安でいっぱいになることだろう。実際、不安を抱えている若者は少なくないようで、日本で就職活動をする若者を対象にした調査では、就きたい職業の第1位が公務員だったという。これは世界のほとんどの国では考えられない事態だ」
与信管理を手がけるリスクモンスター社による「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」調査(2019年10月発表)では、「地方公務員」(27.5%)、「国家公務員」(19.5%)がワン・ツーで、調査対象の大学生の約半数が公務員を希望しています。
本来、今後稼げる人的資本が大きい若い世代は、リスクを取って外資系企業で働いたり、海外に飛び出したりしてもよいはずです。リスクを取ってこそ、リターンが最大になります。私の周囲では、リスクを取って起業したりしている人は高齢者です。人脈や資金をもとに起業する場合が多いですが、本来、リスクを取るべき人が取らずに、元気なのは高齢者というのが現実です。
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