「新たなバブル相場」が始まったかもしれない

「売り方」は再度の「買い戻し」を強いられる?

売り方の期待は、最初から間違っていたのではないか。さらに波乱リスクもあった11月1日の雇用統計とISM製造業景況感指数も無事通過した。このあと、売り方は何を待って高水準の空売りを維持しようというのか。期待する下落要因は何なのか。米中対立でこれから起こる、アメリカと中国それぞれのネガティブ材料なのか。

結局「追加利下げ打ち止め感」に対するNY株の反応で、「利下げ依存から脱却しつつある米株式市場」が認識されたのではないか。そして雇用統計に対する反応で、それが裏付けられたのではないか。

今までは景気指標に対する市場の反応が一定しなかった。「強い指標→金利高→株安」というように、市場が反応する場合も多々あり、「指標数字の予想」だけでなく「数字の結果に対して市場がどう反応するか」という2つの判断が必要で、われわれのような解説者を悩ませていた。

しかし、これからは「景気回復=金利高を容認する市場」になり、株高と金利高が並走出来る環境になったと考える。つまり、景気指標が強いか弱いかを判断すればよいわけだ。

「需給バブル相場」は始まったばかり

ただし、今は「パッシブ型運用」(代表的な指標に連動する運用成果を目指す)の資金が増えており、「お金対株」のバランスが市場に与える影響力が大きくなっている。よって、筆者は景気が良いか悪いか、あるいは米中対立がどうなるかなどの市場要因は、半分程度の感応度で捉えた方が良いと思う。

つまり、事前に予測された上げ下げの幅の半分くらいしか動かないということだ。そしてこの現象は少しずつ進み、行きつく先は「需給バブル」だと思っている。11月からECB(欧州中央銀行)の国債買いが再開され、FRBのバランスシートも短期債買い入れで再び拡大方向だ。この「需給バブル相場」は始まったばかりだと言えるのではないか。

それでも、半分とは言え、目先の材料も無視はできない。今週の日本の上場企業の7~9月期業績の数字は重要だ。日経平均予想EPS(1株利益)は1752円を底にして下げ渋りを見せている。だが、ここまで発表された決算数字を見ると、心配されたほど悪くはないが、やはり厳しい数字が連発され、日経平均EPSはなかなか1700円台後半を抜け出せない。

今週は、もし影響力の大きいトヨタ自動車(7日)、ホンダ(8日)の発表を機に1752円を割れるようであれば、下期の回復を期待していた投資家達がいったん撤退することで、ある程度の調整安となることも考えられる。この部分は最大の注目点であり残った数少ないリスクと言える。

また海外では5日(火)の米10月のISM非製造業景況感指数も重要だ。非製造業は厳しい製造業の落ち込みを補っていたが、もし製造業の影響を受けて非製造業も大きく落ち込んだ場合は「利下げ打ち止め」の根拠が危うくなり、再びドル安と株安になる可能性もある。

さらに、8日(金)には中国の10月の貿易収支が出る。米中貿易摩擦の中でどんな数字が出るか。「中国の数字はあてにならない」と言われるが、最近は結構正確になってきている。先週の物流購入連合会(49.3)と財新(51.7)の10月PMI(製造業購買担当者景気指数)が良い例だ。もし貿易量がひどい落ち込みを見せたらショックもあるかもしれない。この辺を売り方は期待しているのだろうか。

以上のことを勘案、今週の日経平均予想レンジは2万2700円~2万3300円と見る。ゆっくり「懐疑の相場」を行けばよいではないか。ここで一服し、今でも大きく蓄積されているアクティブ型運用の空売りに、さらに売り残が上積みされれば良いと思っている。

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