「親は黙って見てて」 不登校の14歳が描く未来 大げさに心配するのは、やめてほしい
僕は小学校5年生から、いつのまにか標的になって、いじめられるようになりました。
同級生の中には「学校、来いよ」と言ってくれる子もいたけど、行けばやはりいじめられる。ただ、先生にいじめのことを相談したら、加害者も謝ってくれたんです。
ところが、6年生になると、また悪質で姑息ないじめが始まりました。進級するとき担任の先生が替わったのですが、いじめのことは引き継がれていなかったみたいです。
僕は先生とクラスメートの両方にどんどん不信感が募っていきました。あるとき、とうとう、カッとなって同級生に手を出してしまったんです。このときはもう誰が敵で誰が味方かわからなくなっていました。
そうしたトラブルから、学校へ行きたくない気持ちがどんどん膨れあがってきて、「でも行かなくちゃいけない」と思い込んでいた僕は、相反する気持ちを自分でもどう処理すればいいのかわかりませんでした。
おそるおそる、不登校に
その後、小学校はなんとか卒業し、中学は柔道の強い学校に進みました。小学校2年生から柔道を習っていて、道場の先生にその中学を勧められたんです。
越境入学で、小学校のクラスメートとも別れられるから、中学に行くのは楽しみでした。
でも、実際に行ったら、柔道の部活についていけませんでした。あまりに厳しくて、とても耐えられなかったんです。
「部活を辞めたい」と言うと、顧問の先生に「だったら学校も辞めろ」と言われました。クラスには友だちもいたから、転校したくはなかったんですけど。
そしたら両親が「そんな学校には行かなくていい」「学校の先生に何を言ってもムダ」と断言してくれて。
そのころから両親は『不登校新聞』を読んでいたみたいで、学校へ行くことを絶対視していなかったですね。
でも僕のほうはまだ「学校へ行かないとちゃんとした大人になれない」という固定観念を捨てきれていなかったような気がします。おそるおそる、不登校になりました。