「親は黙って見てて」 不登校の14歳が描く未来 大げさに心配するのは、やめてほしい

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その後、フリースクールへ行くようになったのですが、校則も学力競争も先輩の上下関係もない環境で、驚きました。また、学校へ行かなくても希望をもって楽しく生きている人がたくさんいることも知りました。

そんな環境に身を置くことで、僕の固定観念は少しずつほどけていったんです。

放っとかれるのがありがたい

――理解のあるご両親でよかったですね。

いや、そうでもなかったですよ(笑)。

両親は学校へ行かないことには賛成だったんですが「行かないなら朝はちゃんと起きなさい」とか、「夜はゲームをしてはいけない」とか、最初はけっこう厳しく言われました。

僕自身、一時期は精神的に不安定だったから親も心配だったんだと思います。最近はフリースクールにも慣れたし、昨年から心療内科にも行くようになって気持ちも安定しているので、放っておいてくれているのがありがたいです。

――学校に行かなかったことで、つらい思いをしたことはありますか。

小学校5年生から中学1年までの間がとにかくつらかったです。6年生のとき、いっそ死んじゃおうと思ったことがあるんです。死んで「いじめてきた奴らに一矢報いてやる」と。

でもいろいろ考えていたら、いじめた加害者は自分が悪いなんて思っていないはずだから、誰に一矢報いるのかわからないな、と気がついたんです。

(イラスト:不登校新聞)

たとえ僕が死んだとしても、そして加害者の名前をさらしたとしても、加害者本人は悪いと思っていないのだから、言いがかりとしか感じない。

反省さえしないでしょう。それではムダ死にになってしますよね。それで死ぬのをやめました。

――気持ちが沈んだとき、救いになったものは?

テレビ、ゲーム、マンガです。この3つは重要ですね。テレビからはいろいろな意見が流れてきます。見ていると、世界が広がっていくんです。「同じ意見だな」とか「そういう考え方もあるのか」と思う。

ゲームは暇をつぶす大事なもの(笑)。マンガは『ONE PIECE』や『進撃の巨人』が好きです。

マンガも、「いろんな意見があっていいんだ」「自分みたいな考え方でもいいんだ」、と思わせてくれます。マンガを読むことで、自分を肯定することにつながりました。

不登校でも、世界とつながることができる。僕にとってテレビ、ゲーム、マンガはその大切な術でした。

親のほうにはこれらを子どもから取り上げないでほしいんです。何がきっかけになって、自分の世界が広がっていくかわからないから。

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