日立がホンダ系部品3社を傘下に収めるわけ

自動運転時代に覇権を握ることができるか

日立傘下に入るホンダ系3社をみると、ケーヒンは売上高が3492億円、営業利益率7.5%でホンダ最大級の部品会社だ。電子燃料噴射装置や空調、PCU(パワーコントロールユニット)を展開している。ショーワは売上高2866億円、営業利益率は10.5%で、ショックアブソーバーやステアリングを展開する。日信工業は売上高1896億円、営業利益率8.5%で2輪ブレーキ世界最大手だ(数字はいずれも2019年3月期)。

一方、日立オートモティブシステムズは2019年3月期の売上高が9710億円と、規模ではホンダ系3社を大きく上回る。だが、営業利益率は、グループで8%の目標に対して4%程度にとどまり、日立にとって自動車部門は見劣りしていた。

コア事業はすべて「シェア世界3位以内」が目標

ただ足元では、スイス重電大手のABBから招聘したブリス・コッホ氏を日立オートモティブのCEOに据え、事業の入れ替えを中心とする構造改革を断行している最中だった。ノンコア事業と位置付けるカーナビのクラリオンや車載電池事業などを次々売却。日立関係者によると、「少しずつ採算改善が見えてきている」という。

開催中の東京モーターショーにおける日立オートモーティブシステムズのブース(撮影:風間仁一郎)

ただ、リストラだけでは成長はできない。自動車分野のコア事業をパワートレーン、シャシー部品、安全システムなどに絞り、規模拡大を模索していた。日立幹部は「コア事業と位置づけた製品群の世界シェアは4位以下が多いが、これらをすべて3位以内に引き上げたい。弱いモノがたくさんある状態ではなく、強いモノが少数あるように大きく変えていきたい」と、絞り込んだ高シェア分野で勝負する方針を打ち出していた。

そのための手段が戦略的提携やM&Aだ。今年10月には安全システム事業の強化に向けてオランダ大手のシャシー・ブレーキ・インターナショナル社を約830億円で買収。さらに、今回のホンダ系3社はいずれも日立がターゲットにしたコア事業領域と合致しており、一気に規模拡大に動いたのが背景だ。

コッホCEOは会見で「主力製品でグローバルリーダーシップポジションを構築できる」と主張。ホンダの貝原常務も「3社の強みと日立の技術が融合すれば、これからの自動車業界をリードできる」と、統合の意義を強調した。

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