才能が「芽を出す子」の家庭に揃っている3条件 「勉強ありき」「短所の是正」では決してない

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では、才能を伸ばすために必要な「光」とは何でしょうか。それは、「子どもの自己肯定感を引き上げる言葉」であると筆者は考えています。筆者が紹介している10の言葉を参考までに上げておきます。

【承認の言葉】 すごいね! さすがだね! いいね!
【感心の言葉】 なるほど! 知らなかった!
【感謝の言葉】 うれしい! 助かった! ありがとう!
【安心の言葉】 大丈夫!
【指摘の言葉】 〇〇(子どもの名前)らしくないね~ 
*詳細は過去記事もあわせてご覧ください

これらの言葉は、「その子のよさを肯定してあげる言葉」です。

才能・能力=長所をいかに伸ばしていくかが大切

するとどのような現象が起こるかと言いますと、「光」を浴びたその才能は、光合成を始め、双葉から枝が出て、さらに多くの葉が出てきます。これを「才能の分化」と呼んでいます。ちょうど、昆虫にハマった子どもが、その後、生物全体に興味が出たり、世界中の昆虫への関心から地理に興味が出たり、昆虫関係の本から国語力に発展していくことと同じです。

人は、自分では長所を認識できません。当たり前にできてしまっているからです。そして才能や能力はその長所に入っていると言われています。その”当たり前にできてしまっている長所”をさらに引き上げることがはじめに行うことであって、短所の是正が最初ではないのです。才能が発芽し、枝葉が伸びていけば、もはや短所は見えなくなっていきます。

以上のように、一人ひとり異なった才能・能力を持つ子どもの「種」を“発芽”させ、さらに“自ら”伸びていくための「自己肯定感を高める言葉」という“光”を当てることで、その子らしい“花”を咲かせていくことでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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