都市高速道路の渋滞は、「渡り線」で解消するか 莫大な費用をかけずとも、利便性向上を狙う

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名古屋高速でも、市内を東西に貫く東山線と環状線のジャンクションである丸田町JCTに直接南方向へ行ける渡り線を設ける構想が浮上しており、東山線から環状線南部に向かう車が環状線の北半分を走行する必要がなくなることが期待されている。

ただし、こちらは整備が検討され始めた状況で、整備までにはまだ時間がかかりそうだ。完成すれば、愛知県西部や三重県から知多半島・セントレア方面への時間短縮が期待できる。

一方通行ならではのメリット

そもそも大阪や名古屋の都市高速道路の環状線が一方通行となっているのは、都市化が進んだ地域に道路をつくる際、限られた空間しかなかったことやジャンクション部分が非常に複雑になることなどから、両方向の道路の建設を断念したという経緯がある。

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名古屋高速道路のホームページでは、「当初の都市計画では、都心環状線は上下線を分けた2層構造でしたが、ジャンクション部などは構造が複雑かつ大規模なものであったため、構造の簡素化、それに伴う工事費の削減などの理由から、昭和51年に1層構造の一方通行案に変更されました。」と明記されている。

とはいえ一方通行にはメリットもある。一方向の道路だけつくればよいから、同じ方向の走行車線を多くすることができて走行がスムーズになる。実際、大阪、名古屋の環状線は片側3~4車線のところが多く、両方向あるもののほぼ片側2車線でなおかつ頻繁に合流がある首都高のほうが環状線の渋滞ははるかに激しい。

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