相次ぐ台風襲来で見直される「高速道路の役割」 災害後の「移動権」をどう確保していくのか

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長野県千曲川の決壊で壊滅的な被害を受けた千曲市雨宮付近(写真:アジア航測、朝日航洋)

今年は9月以降、台風15号、19号、そして21号の影響を受けた大雨と立て続けに暴風や豪雨が関東甲信越から東北地方にかけて襲来、そのたびに高速道路の通行止めやインターチェンジの閉鎖などが相次いだ。

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とりわけ上信越道や中央道など幹線ともいえるルートが、並行する鉄道と併せて通行止めとなり、都市間の移動に甚大な影響を及ぼした。その後の復旧は関係者の努力で迅速になされつつあるとはいえ、まだ爪痕は各地に残っている。

例えば上信越道の碓氷軽井沢IC~佐久IC間は、10月12日の台風19号による土砂崩れの影響で10日以上通行止めが続き、23日にようやく対面通行での開通となったが、4車線に復旧するには相当の時間がかかるとされている。今回の災害による鉄道や道路への被害は、改めて今後の交通インフラのあり方を考えさせるものとなった。

災害に強いことが証明された高速道路

10月12日から13日にかけて関東地方から東北地方を進んだ台風19号の被害のうち、視聴者を震撼させた衝撃的な映像の1つは、長野市の千曲川近くの新幹線の車両基地が水没し、10編成120両もの車両が浸水のため、使用不能になったものであろう(25~26日の豪雨では千葉県佐倉市のちばグリーンバスの営業所・車庫も冠水し、数台のバスが水没している)。

北陸新幹線は本線にも被害があったため、復旧に時間がかかり、車両のやり繰りのための減便ダイヤで全線を運転再開したのは26日のことであった。首都圏と上越、富山、金沢を結ぶ大幹線が2週間も運休を余儀なくされた影響は計り知れず、迂回ルートの1つとなった東海道新幹線はこの期間中いつも以上の混雑が続いたのは、毎週京都と東京を往復している私も実感できた。

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