欲望、嫉妬が渦巻く俗界の人間模様をコントロールできるか「宇宙人首相」

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欲望、嫉妬が渦巻く俗界の人間模様をコントロールできるか「宇宙人首相」

塩田潮

 新政権発足から19日が過ぎた。
 鳩山首相と小沢幹事長の力関係に当初から視線が集中した。「全員野球」を唱える首相は、内閣人事ではオールキャストの挙党体制を取ったが、首相・菅副総理兼国家戦略担当相・岡田外相の「3頭政治」の足並みの乱れを危惧する声もあった。「船頭多くして船山に上る」と懸念する向きも多かった。
 首相が強い指導力を発揮するのか、調整役に徹するのか、注目が集まるが、今のところ、小沢氏も含めてパワフルな「船頭」たちの横行闊歩が目立っているわけではない。悲願の政権交代実現で、「船頭」たちは一丸となって「民主党モデル」の実現に向けて疾走している印象だ。

 ところが、19日が経過してほの見えてきたのは、閣僚間の鞘当てによる閣内のすきま風である。
 郵政問題をめぐって、亀井担当相と原口総務相の綱引きが始まった。銀行融資の返済猶予問題では、ブレーキを踏む藤井財務相や平野官房長官に金融担当相兼任の亀井氏が噛みついた。国家戦略室の局への格上げ問題では、パワー確保をもくろむ平野氏と菅副総理の関係が微妙になっている。亀井氏をめぐるすきま風は3党連立体制を揺るがす火種となりかねない。菅氏と平野氏の問題も、下手をすると、首相官邸の中枢ラインにひびが入る可能性がある。首相の手綱さばきに視線が集まるが、一歩間違えば、すきま風どころか、暴風雨に発展する。かといって、もし首相が剛腕家の小沢幹事長に対応策を丸投げしたりすると、今度は「小鳩ライン」に批判が集まり、大竜巻が起こるだろう。
 元をたどると、防衛相候補だった亀井氏の処遇問題、菅氏か岡田氏か平野氏かといわれた官房長官をめぐる人事構想の後遺症という面があり、組閣人事が尾を引いている面もある。
 組閣はよく考え抜かれた手堅い人事と評価を受けたが、「宇宙人首相」は欲望と嫉妬が渦巻く俗界の人間模様をコントロールする魔法の杖の持ち合わせがあるのかどうか。
(写真:今井康一)
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
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