MBA経営代表・山田修(Part5・最終回)--“小隊長”を幹部にしてはいけません。“参謀”から育てるべきです

MBA経営代表・山田修(Part5・最終回)--“小隊長”を幹部にしてはいけません。“参謀”から育てるべきです

■ CEOへの道は、職業としての”社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。

--経済環境がマクロ的に厳しい中、幹部教育はどのように行ったらよいでしょう。

重要なのは、1対1でよく話すこと。コミュニケーションを会議でやろうとしても成立しません。10人、20人いっぺんにコミュニケーションをとろうとすると素通りしますし、居眠りするやつもいます。1対1なら逃れられないですし、時間がかかって効率は悪いですけど、いちばん通じるよい方法です。

自分の部屋に呼んで短くて10分、長くて1時間半ですが、時間ではなく頻度が大切ですね。経営判断は素質もありますが、訓練で身に付くものなので、部下の話をよく聞き、一生懸命訓練してきたつもりです。成果としては、フィリップスに61人、ミードに40名弱ほど社員がいたのですが、そのうち3人が外資社長になっています。1部上場企業にも取締役員が1人出ました。自分個人のビジネス実績よりも、わずか数年で100人の部下から4人も社長を輩出した実績の方が鼻が高いことだと思っています。

現在もコンサルタントをやるうえで経営幹部の指導を受託しているのですが、すべて1対1の個人指導をしています。

--個人指導に行き着いたきっかけなどがあるのでしょうか。

私は、MBA取得後に帰国してシアーズ・ワールド・トレードに入り、飯島さんという大社長に薫陶を受けました。私が33歳で社長が63歳くらいでした。手抜きなく細かく親切にいろいろなことを教えてもらう中で、こうやって丁寧に教えてもらうのがいいのだなということを学びましたね。

余談ですが、私は上司との関係がいつも非常に悪いんです。私より仕事ができる人はいないので(笑)。デキすぎる部下は上司に嫌われるんです。コンピュータランドのときとシアーズのとき以外で、上司にかわいがってもらった記憶がありません(笑)。

--次期経営者層の育成方法はありますか。

私は社員を2つの座標軸で分類しています。縦軸は、よく働くか働かないか。横軸は頭の良しあしで、ビジネス判断や経営判断ができるかどうかです。

よく働き頭のいい人は“将校”。全体の10%くらいいて、経営幹部となる人です。頭はいいけどあまり動かない人は“参謀”。頭は悪いけどよく働く人は“小隊長”。参謀と小隊長は合わせて10%くらいですね。残りの70~80%は頭が悪くて働かない“兵隊”です。

多くの会社で、小隊長が幹部になってしまいます。小隊長は声が大きいし人間関係も非常にいい。よく働きます。ところが、この小隊長たちの経営判断が悪いと、“八甲田山死の彷徨”になってしまいます。

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