■ CEOへの道は、職業としての“社長”を選び、第一線で活躍するプロによるトークセッション。将来、経営層を目指すオーディエンスに、自らの経験とノウハウを語る。
--奈良県のご出身で、同志社大学を卒業されています。ライオンに入社された動機についてお聞かせ下さい。
大阪星光学院高校時代、とても魅力的な英語の先生に出会ったことがきっかけで、英語に興味を持ちました。英語を勉強したいと思って同志社大学文学部英文学科に進学したのですが、ここでも出会いがありました。8年間のアメリカ生活を経て帰国したばかりという先生との出会いです。
長髪に白いジーンズ姿で、アメリカのにおいがプンプンしている先生でした。覚えるだけの受験英語だけではダメだと思っていた僕は、「君たちに生きた英語を教えたい」という先生の言葉に心が躍りました。一生懸命に英語を勉強して英検1級も取得し、必然的にアメリカに留学したいと思うようになったのです。
海外でグローバルな仕事がしたかったので、留学制度のある商社に行こうと考えました。ところが、当時は学部指定があったため、文学部は受験資格がないと言われてしまったんです。大学に入る前に言ってくれよ、と思いましたね(笑)。
商社をあきらめ、日本はモノ作りの国だからメーカーがいいかな、中でも英語を重視していて留学制度のある会社がいいなとスクリーニングしていくうちにライオンにたどり着いたんです。
--当時、ライオンはマーケティング会社を標榜していました。マーケティングという仕事も視野に入れて選ばれたのでしょうか。
まったく意識がありませんでした。入社試験では志望動機を「留学したいから」と言っていたし(笑)、入社後の新入社員研修でも、「マーケティングとは何か」という質問に「市場調査とかそういうものでしょうか?」としか答えられませんでした。