副作用の少ないがん治療薬をウイルスで創る いま注目のバイオ創薬ベンチャー社長に聞く

ウイルスを使って新薬開発
――オンコリスバイオファーマとは、変わった社名ですね。
「オンコリス」は、オンコロジー(腫瘍)とリシス(溶かす)を組み合わせた医学用語です。日本人には「リシス」は発音しにくいため、縮めて名付けました。
創薬というと化合物を想像されることが多い。確かに大手製薬メーカーをはじめとして新薬のほとんどは化合物です。一方で、古くは豚の膵臓からインスリンを作り、タンパクの遺伝子操作によって抗体をつくるなど、「生もの」を薬にすることは行われてきました。これがバイオ医薬品です。米国ではバイオ創薬ベンチャーは1980年代からありましたが、日本でもこの10年、米国より20年遅れでバイオベンチャーが増えています。
――オンコリスの特徴はウイルスを使う、という点ですね。
「がん細胞だけで増えるウイルスの開発」と「ウイルスの増殖を止めることの開発」をコンセプトに事業展開を行っているベンチャー企業は、日本ではオンコリスだけです。


















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