シニア起業で年金支給70歳時代を生き抜く

定年後に会社を興した2人のシニアの事例

商社でありながら、在庫も持たない。顧客から注文が来てからメーカーと交渉し、右から左へ流すだけ。契約上はメーカーと顧客の直接取引という形態を取り、KFトレーディングカンパニーは仲介料として売り上げの数%程度の口銭を取る。「だから、利益は少ない。資金を借りて、相場が安いときに調達して在庫を持つ形態でやれば、利益は大きくなるかもしれないが、リスクも高くなる」(福島さん)。

定年退職後の第3の選択肢

銀座セカンドライフが開催するシニア起業家向けの交流会(撮影:梅谷秀司)

起業というと、ハイリスク・ハイリターンのイメージを描いて敬遠しがちだが、シニアが実践している会社運営はまったく別の形。

多くのシニアの起業目的は株式公開などではなく、定年に関係なく長く働き、世の中に貢献しているという“やりがい”を感じること。したがって、起業手法は若い世代のそれとは異なってくる。

前出の片桐氏によれば、「十分に準備して起業すれば、初年度から前職時代の給料と同程度の売上高を稼げることが多い」という。そこから諸経費が引かれるが、事業が軌道に乗り、売上高が伸びれば、前職時代以上の収入を得ることも不可能ではない。

国の財政は悪化の一途をたどっており、将来的に年金支給は70歳程度まで引き上げられることがほぼ確実。それに伴って到来する、「70歳まで働く」時代をどう生きるか。今の会社での再雇用や別の会社への再就職とともに、「シニア起業」を第3の選択肢として考えることが、今後当たり前になってくるかもしれない。

「週刊東洋経済」2014年2月15日号(2月10日発売)では「70歳まで働く 45歳から考える『次の仕事』」と題した特集を掲載しています。

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。