シニア起業で年金支給70歳時代を生き抜く

定年後に会社を興した2人のシニアの事例

会社は2年目に一度赤字になったものの、3年目以降は黒字が続く。仕事がないときは給与を支払わなくていい契約のため、固定費が軽いことが秘訣だ。「IT業界では、ベテランのエンジニアには仕事がなかなかない。給料は安くても、この人たちを生かせる場を作ることが大事」と、加瀬さんは語る。

シニア起業成功の2つの秘訣

シニア専門の起業支援サービスを提供する「銀座セカンドライフ」の片桐実央代表取締役は、「シニアの起業は初期投資が不要で、固定費も軽くて済む、ローリスクの仕事を選ぶことが原則」と語る。

リスクを抑えることと並んで、シニア起業成功のもう1つのコツは、前職時代の人脈や経験を最大限に活用することだ。

化学品の商社を営む「KFトレーディングカンパニー」の福島賢造さん(65)は三井物産の出身。昨年3月に会社を設立し、フッ化物や塩素酸ソーダなどの無機化合物を中国や日本で仕入れ、アジアや中東などへ販売している。福島さんは三井物産時代から化学品部門に在籍し、現在取り扱う商品を担当していた。規模が小さく利幅の薄い商品の扱いを三井物産が減らしたのを受け、退職時に自ら申し出て、それらの取引を顧客ごと譲り受けた。

「個人でゼロから始めようとしても、信用がないので相手にしてもらえない。前職時代の仕入れ先と顧客を引き継げたことは非常に大きい。以前から知っている人脈なので、『販売先がカネを支払わない』『仕入れた商品がとんでもない粗悪品だった』というトラブルもない」(福島さん)

リスクも可能なかぎり低減している。取引規模は1回当たり20トン程度のものが中心。1トン当たり1000ドルとすると、1回の取引金額は2万ドル程度に収まる。1回約1万トンの大規模取引になる肥料などと異なり、リスクは個人でも請け負える範囲だ。

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