貯金していても「お金の奴隷」にはならない方法 「コツコツ節約」だけでは幸せにはなれない

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次に、支出を大きく3つに分けて考えます。

私は、①「生活費の支出」、②「自己投資のための支出」、③「心を豊かにするための支出」に分けています。

①は「生活費の支出」は文字どおり、生活には必須の支出です。家賃、光熱費、通信費、食費、日用品費など、すべてです。

②は「自己投資のための支出」は、自分の成長に役立てるための支出です。書籍代や習い事、セミナー受講費など。

③は「心を豊かにするための支出」は、自分の心と体を満たすための支出です。

例えば、毎日のランチは「生活費の支出」ですが、お友達との休日のぜいたくランチは「心を豊かにするための支出」かもしれません。打ち合わせをしながらのランチや尊敬する人とのランチは、「自己投資のための支出」と考えることもできます。つまり、支出の分け方は自分の価値観で決めていいのです。

現実的には、「毎月自由に使えるお金」から「生活費の支出」を差し引いて、残りを「自己投資のための支出」と「心を豊かにするための支出」に配分する、ということになるでしょうか。

月によって(仕事の忙しさなどによって)、3つの配分が変化しても構いません。ポイントは「お金を使うとき、支出を3つに仕分けして考える」ことです。何か買い物をするとき、お金を使うときには、この3つのどれに当てはまるかを考えてください。どれにも該当しない支出は「ムダな支出」とジャッジして、お金を使うのをやめましょう。支出の「質」を区別し、お金の使い方に意識的になることが大事なのです。

自分の価値観を育て、お金の使い方の指針にする

もう1つ、ポイントがあります。それは「自分の価値観を育てる」ことです。

美希さんは「ブランド好き」なのだそうです。私も、あるブランドが大好きでした。若いころ、カードの分割払いで無理して買ったばかりに、生活がキツキツになったこともありました。しかし「ブランド品は、他人との比較優位性を感じたときに初めて価値が生まれる」という考え方を知り、なるほどと思いました。「地位財」という考え方です。

「お金やモノや地位といった他人と比較できる財を得たことによる幸せは、長続きしない」というのです。

その人の「価値観」が、お金の使い方のキーワードにもなるのではないかと思います。「価値観」は、本来自分自身のものですが、しばしば他人による評価に引きずられてしまう。自分自身の「価値観」を育てていく必要があるのです。「毎月自由に使えるお金」があっても、それが限られた予算である以上、我慢しなくてはいけない買い物もあるでしょう。自分の価値観でお金を使うことが大切なのです。

美希さんは、「そうはいっても、ブランド品を買うのをやめたくはない。私は、このブランドが好きだし、頑張った自分へのご褒美だから。好きなモノを買うと、また頑張ろうと思えるから」と言います。なるほど、よくわかります。でも、次のように考えてみては、どうでしょうか。

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