日本一予約が取れない美容師、高木琢也の凄み 「不器用でカットが上手いわけでもなかった」
さらに、できれば自分が好きな友だちだけじゃなくて、「こいつ気が合わないなぁ」とか「俺には分かんないなぁ」みたいな人にこそ、あえて近づいてみてみた方がいいと話しています。
例えば普段は接点がほとんどないアイドル好きな人と話してみると「そんなに1人の人に入り込めるくらい、熱い奴なんだな」って気付けるし、そういう人の考えってベクトルは違ってもすごく参考になるはず。いつも同じ居酒屋で同じ仲間と話してるだけじゃ気付けなかったことが分かって、絶対に自分を成長させてくれると思うんですよね。
20代のうちにすべきこと
俺の場合は、その存在がお客さまでした。たくさんの方に出会って、いろんな話を聞けたから、どんな人にも対応することができたし、自分の視野も広がったと思っているんです。
とはいえ、20代のうちにもっと遊んどけば良かったなと思うこともあります。俺は未だにUSJも行ったことないし、クラブも合コンもほとんど行ったことがない。LINEスタンプの買い方も、Uber Eatsの使い方も分かんないんですよ(笑)
20代の頃にいろんなところに遊びに行けていたら、もっとたくさんの出会いや発見があったのかなって思います。多くのお客さまと話をして学ぶことはたくさんあったから、結果的には良かったんですけどね。もしそうやって人と出会わないような仕事をしている人なら、20代のうちにできるだけ多くの人と関わった方がいいと思います。
成長、成功、というとどうしても自分のテクニックを磨きたくなりますけど、一番大事なのは目の前の人を大事にするっていう、超基本的なこと。俺は20代で早いうちにそのことに気付けてよかったって、今改めて思っているんです。
(取材・文/石川香苗子 撮影/赤松洋太)