中曽根内閣では「スパイ防止法案」が廃案の過去も…日本が"スパイ天国"から脱するための4つの手順

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日本が「スパイ天国」であることは、残念ながら事実だという(写真:Ushico/PIXTA)
先の衆院選で自民党を圧勝に導いた高市首相は、施政方針演説でも安全保障の抜本的な見直しを打ち出しました。その柱の1つとして挙げられるのが「スパイ防止法」の制定ですが、軍事アナリストの小川和久氏は、実際、現在の日本の防諜活動は「人員も予算も限られている」と、その問題点を指摘します。
そこで本稿では、安全保障の専門家が口を揃えて「スパイ天国」だという日本の防諜活動の実態と、そこから脱却するために必要なプロセスについて、小川氏の著書『13歳からの戦争学』から一部を抜粋・編集する形で解説します。

巧妙を極める「スパイ活動」の実態

「日本はスパイ天国だ」。この言葉を、安全保障の専門家がよく口にしています。これは本当なのでしょうか。そして、なぜそう言われるのでしょうか。

スパイ活動(諜報活動)とは、他の国の政府、軍、企業などから、秘密情報を不法に入手する活動のことです。

現代のスパイ活動は、映画のようなスリリングなものばかりではありません。多くは地味で、時間のかかる作業です。政府職員や企業の従業員に接近し、信頼関係を築き、少しずつ情報を引き出す。これが典型的な手法です。

また、サイバー攻撃による情報窃取も増えています。政府機関や企業のコンピューターに侵入し、機密情報をダウンロードします。これは「サイバースパイ」と呼ばれます。

日本でも、スパイ事件は実際に起きています。

2026年1月には、ロシアのスパイが日本で摘発されました。在日ロシア通商代表部の職員が、「ウクライナ人です」とウソをついて、工作機械メーカーの社員に「道を教えてください」と声をかけたのが始まりでした。

「お礼がしたいからまた会いましょう」と誘い、ファミレスなどで何度も会ううちに仲良くなり、最終的には会社の秘密情報を聞き出していたのです。

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