「間違った地図」でなぜ部隊は生還できたのか? 正論より"物語"がリーダーに必要な決定的な理由

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リーダーはストーリーによって積極的な意味づけを行い、メンバーの自発的な行動を引き出すことが必要です(写真:kouta/PIXTA)
自らの仕事に意味を見出し、メンバー一人ひとりが自走することが求められる時代。リーダーにできることは何でしょうか。自発的かつ臨機応変に動くチーム・組織へと導いていくためには、「メンバーの感情に働きかけて行動を促す必要があります。そのためにもっとも効果的なことはストーリーを語ることです」と話すのは、『リーダーのためのストーリーテリング入門』を上梓した広江朋紀氏です。
リーダーが、どんなに正しい戦略やロジックをつくっても、最終的に実行するのは、現場の一人ひとりのメンバーです。
メンバーに自発的に動いてもらうためにリーダーができることは、一人ひとりが潜在的な力を自ら引き出せるように働きかけることです。この核となるマネジメントスキルが、ストーリーテリングです。具体的に今必要な能力とは何か、広江氏が解説します。

BANI時代に必須のリーダーシップスキル

近年、ストーリーテリングは、ロジックや正論だけではなく共感が求められる今の時代に必要なリーダーシップスキルとして関心を集めています。

私たちを取り巻く不確実な環境を形容する用語として、かつてはVUCAが使われていましたが、最近は未来学者のジャメイ・キャッシオ氏が提唱したBANIと呼ばれる言葉が注目されています。

BANIは、Brittle(もろい)、Anxious(不安)、Nonlinear(非線形)、Incomprehensible(不可解)の頭文字に由来します。システムが予期せぬ状況に適応できない「もろい」状態、将来への不確実性により生じる「不安」、原因と結果が直接結びつかない「非線形」、そして理解や説明が困難な「不可解」な状態を指します。

BANIが示すような正解のない不確かさの中に包まれた今日において、私たちが存在する証をストーリーによって意味づけて確かなものとして捉えたいという衝動は、人間の持つ性(さが)なのかもしれません。

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